オジサン NOW

還暦過ぎたオジサンのつぶやき

「座禅の効用?」

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もう1ヶ月くらいになるが、だいたい毎日座禅を続けている。時間帯はバラバラで、気の向いたときに10分~15分くらい座っている。心配事や不安でいっぱいだったり、イライラしているときに座ると、すぐ解消されるわけではないが、少しは気持ちがおさまってくる。次から次と湧いてくる雑念はそのままにして、ただ数字をゆっくりと一から十まで数えて呼吸に集中する。「数息観呼吸法」といって、初心者はこれから始めるようだが、自分にもこのやり方が合っている。

「ひとーつ、ふたーつ…」と十まで数えていくが、吐く息を吸う息の2倍くらい長く呼吸する。雑念が入ると、また最初から数えていくのだが、雑念だらけで何度もやり直すとキリがないので、適当に終わらせている。雑念を追い払うのではなく、次から次と湧いてくる雑念を右から左へ流していくということらしい。無理しないのがいいのだ。

吐く息は長いほどいいようで、初心者は吸う息の2倍くらいの長さで吐くそうだが、自分は吸う息の3倍から4倍の長さでやっている。これが今のところ、いい感じだ。無理して吐く息を長くすると苦しくなって、そっちにばかり気をとられる。苦しいと座禅の意味がないので、今はとりあえず苦しくない程度で、無理しないでやっている。

なぜ、今も座禅をやるのか? 前にも書いたが、それは過去の不思議な体験があったからだ。40年以上も前のことだが、学生のときに夜寝る前に座禅を約1か月半、毎日続けたことがあった。1ヶ月を過ぎた頃から、座禅をしていて心身共にすごく楽だと思うようになり、座るのが楽しみになってきた。そして、それから数日経ったときに、座っていて突然ガクガクと体全体の力が抜けた。

すると、体がなんともいえないくらい楽になり、同時に心も不思議なくらい満たされた感じがして、その内、なんと顔が笑っていることに気がついた。誰かが見ていたら気持ち悪いだろうなと思ったが、確かに笑っていた。後で座禅の本を読んだら、やはりこういう現象があるようだった。とにかく気持ちが良くて、このまま何時間もずっと座っていたいと思った。

その後もその感覚は数日間続き、座禅をしているとき以外でも、不思議と気持ちが楽になって変化が色々と現れてきた。今までにないくらい爽快な気持ちで、前向きに考えるようになった。自然と「頭でグチャグチャ考えていることは、本当の自分の考えではない」と思ったり、不安なことがあっても「それは一旦、横に置いて」とか割り切れるようになり、そう考えるようになった自分が不思議だった。

しかし、それから段々と座禅をやらなくなり、その感覚もまったくなくなってしまった。ということで、そのときの感覚にまた何とかなりたいと思って、社会人になってから何度も挑戦してみたが、いずれも集中して続けることが出来なくて、中途半端で終わっていた。それであのときの感覚を、あれから今まで体感することはなかった。

そして、40年以上も経った今、また座禅に挑戦している。続けなければ効果がないと分かっているので、今回は続けようと頑張っている。あの学生の時の体験がなければ、やることはなかったのだろうけど、あのときの感覚がどうしても忘れられない。それくらい、なんともいえない充実感があったし、本来はこうなんだろうなという自分の姿を感じるような、貴重な体験だった。

もう40年前のあの純粋なときとは違って、社会人になってから色々なことがあり過ぎて、カチコチに固まって歪んでしまっているので、もしかしたらもうあのときの体験はできないのかと思ったりもする。でも、不安な気持ちが少しは楽になるという効果は今でも感じているので、このまま続けて行こうと思う。

座禅を始めた人で、自分と同じような感覚というか体験をした人は結構いるようで、座禅は隠れた人気がある。常識では考えられないような体験をすると、それに魅かれていく人も多いようで、自分もその一人だ。「さとり」なんて難しいことは一生わからなくてもいいから、日々を楽に生きれたらいい。そのために座禅をしている。