オジサン NOW

還暦過ぎたオジサンのつぶやき

「自分も周りも衰えて、オイル(老いる)ショック!」

我が家の裏のEさんは、胃がんの手術で3ヶ月間入院していた。退院して来た姿を見たら、やはり以前より痩せこけて、一気に老人になった。数日前に会ったら、胃の調子が悪く、あまり食べれないと言っていた。家の中で、2回も卒倒して倒れたと言う。腰も痛くなり、今まで家の周りを歩いて運動していたが、出来なくなったと嘆いていた。

もしかしたら、また入院するかもしれない。長期入院すると、てきめんに体力が落ちる。今度、入院したら、果たして家にまた戻ってくることが出来るのだろうか。1年前は、まだ元気で、冬は雪かきをやり、家の庭の畑仕事もして、毎朝、町内を元気に散歩していたのに、急に衰えてしまった。

その隣の家のSさんは、10年ほど前から一緒に住んでいた母親がなくなってから、ずっと1人で住んでいるが、一昨年、農作業のパート仕事をやめてから、朝から酒を飲むようになり、家に引きこもるようになった。    

       

1ヶ月ほど前に、久しぶりに外でSさんに話しかけられて、「Eさん、顔をずっと見ないけど、どうしたの?」と聴かれた。その顔を見たらやつれていたので、どうしたのかと聴くと「病気なんだ」と笑って言った。冗談か本当か分からないが、そうなのかもしれないと思った。2人とも70代で、自分より年上だ。

それにしても、1~2年前は2人とも元気で、よく車で出かけていて、家周りの仕事も頻繁にやっていたのに、急激に衰えてしまった。姿をほとんど見かけなくなった。そういう自分も、昨年から腰の痛みがひどくて体調も悪く、家周りのことも全然やっていなくて、外に出ることがなくなった。以前は、いつもこの2人と顔を合わせていたのに。         

「人間は、こうして死ぬもんなんだ」と改めて思う。事故で急死する人もいるが、こうして病気や老衰で死んでいく人が多い。癌で亡くなった両親のことを思い出すが、歳を取るということはこういうことなのか。母親は69歳、父親は77歳で亡くなった。来年、自分も母親の亡くなった年齢になる。

        

父の会社は土建屋で成功してから、田舎の山奥から親兄弟を呼び寄せて、大きくしていった。しかし、同族会社の例に漏れず、兄弟の金に対する醜さはひどいものだった。最後まで、会社の金を公私混同しなかった両親は早く亡くなり、残った金の亡者の兄弟達は長生きした。中でも泥棒のような弟などは、まだ90歳近くになっても生きている。

「良い人間ほど早く死に、悪い人間ほど長く生きる」と思わざるを得ない。自分はどうなのだろうか? 善人でもないから、それほど生きられないと思うが、金がないと文句ばかり言って、ダラダラともう少し生きるような気がする。しかし、死ぬのも葬儀代や納骨代の金がかかるので、簡単に死ねない。その手配や断捨離が終わると、少しは安心して死ねる。

       

明るい気持ちで、明るいことを考えたいが、自分自身の衰えに加え、自分と同年代の知人達の衰えを見ると、なかなかそんな気持ちになれない。明日は我が身で、現実にあの世が近づいているのだから、そんなことばかり考えてしまう。ただ、それでもあきらめが悪いのか、ストレッチや気功や座禅や腹式呼吸などで、奇跡の回復を期待している。「このまま、死んでなるものか!」と。

肉体的にも精神的にも、もうこれしか希望の道はないと思っている。これでダメなら、あきらめようという気持ちだ。座禅は、かつて素晴らしい体験をほんの少しの間だがしたことがあるので、それをもう一度。そして、気功も以前やっていたので、もう少し。それで、心身ともに少しでも良い方向に向かってくれたらと願うだけだ。後は、神様仏様にお任せ致します。