オジサン NOW

還暦過ぎたオジサンのつぶやき

「また面接をして来た」

実は、1月31日付で老人ホームのダブルワークを辞めた。一番の理由は、「仕事がない」ということだ。仕事が少なければいい、というわけではない。基本になる仕事があれば問題はないのだが、それがない。施設の担当者も、どんな仕事を自分にやらせようかと、ずっと苦心していたようだった。自分の強い希望で採用してもらったこともあって、募集条件以外の色々な仕事も見つけてくれていた。

ただ、当初は入居者が病院に行くときの車の送迎もやるということになっていたが、いつまで経っても言われないので担当者に聴いてみた。すると、困った顔で「実は車で入居者を連れて病院に行き、症状の経過を説明したり、薬のことも色々と医者に聞いたりするので、専門のケースワーカーが行かないとダメなんです」と言う。ケースワーカーが運転するので、運転手は要らない。

その送迎があると、半日仕事のほとんどは終わるはずだった。しかし、それが無くなったので、朝の受付でボーっと座って、入居者がデイサービスに行くためにエントランスに降りて来るので、それぞれに挨拶をする。そして、送迎車で出て行くのを「行ってらっしゃい!」と見送る。そのとき、各介護士が各入居者が昼に飲む薬を取りに来るので、それを渡す。それで、朝1時間くらいの受付の仕事は終わる。

      

その後が、何もない。残りの3時間は、各入居者に届いた宅急便の荷物を各部屋に届けたりするが、数分で終わる。たまにある設備の管理も、あっという間だ。雪がたくさん降って積もったときは、2~3時間は除雪の仕事があるが、雪が降らないとやることがない。担当者は、なんとか自分の仕事を見つけようとしてくれたが、それが気の毒で辛かった。

1か月後に、施設側は新たに女子事務員のパートを入れた。事務仕事の他に雑用もやらせていたので、自分のやっていた朝の受付も、本来はその女子事務員がやる仕事のはずだ。普通、受付はオヤジではなく女性だ。受付で、入居者と同じ年齢くらいのオヤジが「おはようございま~す!」、「行ってらっしゃ~い!」と太い声で叫んでいる姿は、まず見かけないだろう。

そんなことで、益々、自分はここには必要のない人間だと感じた。 担当者も忙しいので、毎回、自分の仕事を考えるのが大変そうで、いずれ爆発するだろうと思っていたら、ついにその日が来た。分からないことを2度続けて聴いたときに、「それで、いいんじゃないですかー?」とムッとして怒ったように言った。どうにも面倒臭くなったのだろう。これはもう、引き時だと思って、辞めようと決めた。   

 

                                

仕事が昼で終わった後、事前に調べていた会社の求人の紹介状をもらいに、ハローワークに行った。そして、すぐ履歴書を自宅で書いて、紹介状と共に封筒に入れ、郵便ポストに投函した。その後、担当者に辞めたいというメールを送ったら、ホッとしたような感じだった。これで、あのオヤジの仕事探しから解放される、と思っただろう。

自分が辞めた後に、すぐ「デイサービスの送迎運転と施設の営繕や雑用」という募集をハローワークに出していた。デイサービスの送迎の合間の少しの時間に、営繕や雑用をやらせたのでちょうどいい仕事だと、施設側も分かったようだ。これが、本来の必要な仕事なのだ。自分は、面接のときからデイサービス送迎の運転は断っていた。           

その後、10日後に新しいダブルワーク先の面接が札幌駅前のビルであり、その10日後に採用が決まった。4月5日に引き継ぎがあり、そして4月20日からダブルワークの新たな仕事が始まる。新たな仕事は、個人病院がたくさん入っているビルの管理人だ。マンションにもなっていて、入居者もいる。

管理人の仕事はやることが決まっていて、それを1人でこなして行けばいいので、気が楽だ。高齢者には、そして自分には管理人の仕事が一番だ。後は、クレーマーがいないことを祈るだけだ。