オジサン NOW

還暦過ぎたオジサンのつぶやき

「現実は、こんなものなのか?」

先般、救急車で運ばれて亡くなった58歳の男性のことだが、亡くなってから数日後に親族の人が4人ほどバタバタとやって来て、2日間で亡くなった男性の部屋の荷物をあっという間に持って行った。話を聴いたら、月末なのですぐ退居しないと、翌月の家賃を払わなければならないからだと言う。

亡くなった男性の弟さんが皆を率いて、2日目に引っ越しが終わったときに弟さんと少し話したら、「いやあ、管理会社に聴いたら、来月になっても家賃を払わなくても大丈夫みたいで、急いで荷物を片付けなくても良かったなあ」と笑っていた。それで、家賃って、一体いくらなんだろと考えた。管理人には、家賃は分からない。

このマンションは、かなり家賃が安いようで、最上階でも3万円台というのは他ではまずないという話だ。だから、亡くなった男性は2階か3階だったので、家賃は3万円前後だったと思われる。その家賃を払うのが惜しくて、喪に服す間もなく、遺族が嵐の如く故人の荷物を撤去する姿を目の当たりにした。これが、現実なんだと溜息が出た。

       

自分の場合、今、ポックリと逝ったら、間違いなく女房は「あのジジイ!金は1銭も残さないで、要らないモノばかり残しやがって!」とわめき立てるだろう。息子達も、「仕事が忙しいのに、まったく迷惑だ」と文句を言うだろう。まして、金目の物は1つもないときてるんだから。

現実はこんなものだろう。亭主や父親の死を悲しむどころか、文句タラタラというところだ。だから、金は遺せないのだから、せめて不用品を今のうちから、せっせと片付けておかないとな。