図書館で借りてきた「不動産屋は見た!部屋探しのマル秘テク、教えます」という、マンガで説明している本を読んだ。自分は今、賃貸マンションの管理人で働いているので、成程なあと思うことが色々あった。
その中で、これは本当だなと感心したのが、「まず、そのマンションの入口玄関にある、掲示板を見ること」と書いてあったことだ。何故か?それは、掲示板に貼ってある貼り紙を見たら、そのマンションの悪いところや、問題点がよく分かるからだ。
例えば、自分が働いているマンションの場合は「夜中の騒音がひどいので、なんとかして欲しい」という苦情がほとんどだ。その他にも色々な苦情があるが、圧倒的に騒音の苦情が多い。両方の棟から苦情が来ている。だから、掲示板は「騒音注意」の貼り紙ばかりで、このマンションの現状が分かる。
前にも書いたが、このマンションは家賃がかなり安いので部屋も狭く、単身者ばかりで、年金生活の高齢者や地方から来ている学生も多いし、働いている若い人も多い。だからというか、騒音はほとんど若い男性のようだ。実は、だいたいの見当はついている。
ただ、そのときに管理会社の人が、騒音の場所を確認しないとダメらしい。しかし、管理会社はほとんどが札幌市内で、騒音が起きるのは真夜中ばかり。連絡をくれたらすぐ行くというが、札幌市内からだと1時間もかかり、到着した頃には、騒音も終わってるし、第一、真夜中にわざわざ呼べないと言う。確かに、夜中の1時や2時には呼べない。
管理会社は、入居者から苦情の電話があると、なにか対応らしいことをやらないと「なにもやらない管理会社だ!」と入居者が怒るのを恐れている。管理組合の会合で「管理会社を替えよう」ということになると、大変なことになるからだ。だから毎回、貼り紙で一応、対応らしいことをする。
我がマンションは、違法ゴミ捨ての貼り紙も多いので、ゴミの捨て方がダラシナイということだが、これはほとんど自分が貼っている。(笑) 違法ゴミ捨ては、管理人の天敵?なのだ。これで嫌になって、管理人を辞めて行く人が多い。
それと、まれに「ベランダでタバコを吸わないように」という貼り紙もある。風向きで、隣や上の階のベランダに煙が行くようだ。さらに、上の階のベランダで、濡れている布団を干すなというのもある。下に水が垂れるからだ。
各部屋の工事案内の貼り紙もある。これは、水道工事や内装工事をする前に、業者が掲示板で通達しておかなければならないが、我がマンションでは業者が何の連絡もなく、突然やって来ることが多い。日数がかかる工事の場合は、隣や上や下の部屋から苦情が来る可能性が高い。確かに、大きな音でガンガンやられるので、迷惑になる。
特にクレーマーの餌食にもなるので、自分などは気を揉んで仕方がない。この工事案内書も、きちんと貼ってあるか確認した方がいい。我がマンションは2棟合わせて150部屋もあるし、とにかく漏水事故が異常に多いので、水道工事はほぼ途切れることなく、どこかの部屋でやっている。他にも、新しいトレイの交換や壁紙の貼り替えなどもある。
だから、工事案内書が常時貼っていなければならないが、先の理由で貼っていないことが多い。それは、管理会社と工事会社の連携が上手く行っていないということだ。事前に工事日や期間や時間が分かっていれば、入居者は納得するものだが、それが分からないと、不安な入居者から苦情が来る。管理会社の良し悪しも分かる。
ということで、賃貸でも分譲でもだいたい同じだと思うが、掲示板を見るとそのマンションの状況が、だいたい見えてくるはずだ。