■廃棄自転車から1台を
勤めている賃貸マンションで、毎年、駐輪場に停めてある多くの自転車の整理を行っている。退居するときに、自転車を置いていく人が多いからだ。今年は、7月中旬に駐輪してある各自転車のハンドルに赤いビニールテープを巻き、1ヶ月後の8月中旬までに入居者が使っている自転車は、その赤テープを剥がすように、掲示板に貼り紙をした。
従って、ずっと赤テープが貼ってある自転車は、誰も使っていない自転車ということになるので、8月末に廃品業者に引き取ってもらう。その前に警察にも、盗難車か確認してもらったが、全て大丈夫だった。廃棄される自転車の数は、全部で18台もあった。2棟にそれぞれある駐輪場から、10台と8台が減ったのでガラガラになった。
その内で良さそうなのを1台、自分が引き取り、自宅に運んで持って来た。もちろん、自分の上司である担当者の許可を得ている。自分の小型普通自動車に、ギリギリ押し込んで積んできた。家に持って来てから、まず前輪と後輪のタイヤに空気を入れ、パンクがないか確認したが大丈夫だった。
■ロックリングというカギを外す
それから、ロックリングというカギが後輪の部分に付いていて、カギがかかったままになっていたので、それを外すことにした。外し方をネットで調べたら、傘の開閉のときに親指で押すボタンの部品を外して使えば、簡単に外せるということだ。マンションの管理人室押し入れに、使い捨ての捨ててあった傘が数本あったので、2本持って来てやってみた。
動画も見て、傘の柄の部分を折って部品を取り出し、ロックリングのカギ穴に差し込んで何度もやってみたが、動画のように簡単に開かなかった。その内、その部品も曲がってしまったので、この方法はあきらめた。そして、自転車を傷つけるかもと躊躇していた最後の手段「ディスク・グラインダー」でカギを切り、なんとか外した。
早速、家の周りを少し乗ってみたが快適だ。変速ギアも使える。この自転車のタイヤには「BRIDGESTONE」、チェンジギアには「SHIMANO」のロゴが入っている。もちろん、組み立てはメイド・イン・チャイナだが、結構しっかりしてる。その後、チェーンロック式のカギと、カバーと空気入れも買ったので、この自転車に関する出費は、全部で約3千円だ。
今年は、乗れるのはせいぜい10月末くらいまでかな。ということで、すべて上手く行って満足しているが、後はこの自転車の持ち主が現れないことを祈るだけだ。 というのは、このマンションには長期に渡って留守にしている人がまれに居て、もしかしたら、その人の物かもしれないからだ。
だから、後で「私の自転車は、どこに行った?」と、この自転車の持ち主が現れてくるかもしれない。もしそうなったら、「所有者の確認のときに、ずっと現れなかったので、すべて廃棄処分しました」と言うつもりだ。(・┰・) ベー 「私がもらいました」とは言えない。
それでも、持ち主が怒ってどうにもならないときは、廃棄業者がまだ処分していなかったとか言って、自分の家から持って来て返すしかない。こうなることを、上司の担当者も恐れていて、「後で持ち主が現れた場合が、一番困るんです」と言っていた。 以前、もめたことがあったのだろう。
ということで、まだ完全に自分のチャリになった気はしないが、今年中に持ち主が現れなかったら、まず大丈夫だろう。 今度の休みは、少し錆びついている車輪のスポークや他の箇所の錆落としをしたり、拭いて磨いたりして、まだまだ見栄え良くするつもりだ。手をかけて愛着が出て来ると、ますます返したくなくなるな。