オジサン NOW

還暦過ぎたオジサンのつぶやき

「繰り返す、高齢者の会話」

自分は今68歳で、65歳から74歳までの前期高齢者に入る。今のパート仕事では、75歳以上の後期高齢者の人達と話す機会が多い。前の職場でも、だいたいそうだった。今の仕事はマンションの管理人だが、結構、親しくなった入居者が2人いる。いずれも70~80代の高齢女性だが、女性は一般的に話好きで社交的なので、話が面白い。

これが高齢男性だと、話をしていてもあまり面白くない。型通りの挨拶くらいで終わって、会話がそれほど続かない。その点、女性の方がハキハキして話も続く。男性は平均して、社交的でないようだ。

ただ、この高齢女性との会話も、最近は少し難しくなっている。1人は、長い間、掃除のパートに行っていたが、昨年いっぱいで辞めて暇そうにしてる。自分がフロアーの掃除に行くと部屋から出て来て、菓子やバナナをくれる。それはいいのだが、つかまると最後、私生活のことまで根掘り葉掘り聴かれるので、忙しい振りをしてサッと逃げる。

        

もう1人は、ずっとゴミの仕分けをしてくれて、非常にありがたい存在だ。ただ、この人は最近、同じことを何度も話すようになった。前に聴いたことを何度も話す。しかも、問題のある入居者男性の話をしていたら、その人がかつて奥さんと離婚したことや、その人の子供の話になり、その人がウツ病になったことまで話が展開していく。

それが、その男性の今回の問題とどうつながるのか必死に考えるが、なかなかつながらない。結局、まったく本題とは関係のない話だったと分かる。後日、その話が再度出てきたら「また始まったな」と思う。 と書いていて、「もしかして、自分もそうかも?」と不安になった。

自分の話を、相手は「また、始まった」と思い、仕方なく初めて聞いたような顔をして、我慢してるかもしれない。 自分も、何度も同じ話や脈絡のない話をしていることは考えられる。それにしても、案外、高齢者同士だと、お互いにそう思いながら会話しているんじゃないだろうか。第一、相手の話など大して聴いてないだろう。

       

部屋に引きこもって誰とも会話がなくなると、認知症も始まって来たりする。そして、テレビばかり見ていると更に認知症が加速する。自分の父親がそうだった。テレビは受け身一方になるからダメで、ラジオは声だけなので、あれこれ想像するからボケないという。自分もテレビは極力、好きな番組以外は観ないようにしている。

会話をすることは、高齢になると特に大事なことだ。自分の中に引きこもると、ずっと暗闇の中にいて、生きる希望もなくなり、ただ死を待つだけということになる。でも、活発で生き生きとしている高齢者もたくさんいる。なんとか、そちらの方になりたいと思うのだが。