オジサン NOW

還暦過ぎたオジサンのつぶやき

「確定申告に行ってきたゾー!」

今年も、確定申告に行ってきた。朝8時に自宅を出たが、確定申告をする税務署に早く着き過ぎた。40分くらいで着くと思っていたが、考えてみたら、そんなに時間がかかるはずがなかった。20分だ。ということで、8時20分頃に着いて、満杯の臨時駐車場に車を停め、横断歩道を渡ったら、既に玄関前にズラーっと人が並んでいた。100人前後だろう。

確定申告の受付時間は午前9時からなので、まだ30分以上も時間があり、外も寒いので車に戻って開場まで休んでいるか、それとも昼からでも出直そうかと悩んでいた。そして、とにかく列から出て車に戻ろうと思っていたら、列が動き出した。8時半開場のようだ。

それで、そのまま徐々に税務署の建物内に入って行き、受付で係員に順番票を渡された。この番号は、午前9時半以降の受付になるので、その頃に来たので良いということだった。一旦、車に戻ろうかと思ったが、もう45分しかないので、そのままエントランスの椅子に座って、本でも読んで待つことにした。

           

9時20分頃に、朝から腹の調子が良くなくて、会場に入ってからだとトイレに行くのは難しいと思って、思い切ってトイレに入った。これが、正解だった。その後の不安がなくなった。歳を取ると、大も小も急に催して来るので大変だ。

そして、9時半過ぎに会場に入ったが驚いた。だいたい、ここ3年くらいは毎年、中の様子が変わっていて、今回もテーブルや椅子の並びが、かなり変わっていた。受付方法も変わって、今回は入ってすぐのところで、担当者が各自の申告内容を見て、ファイルに書類を入れ、それを持って「スマホ・コーナー」に行けと言う。

「え?スマホって。今までずっと担当者が打ち込んでくれる、パソコン・コーナーだったんですが…」と言っても、スマホ・コーナーに誘導する。今まで、スマホ・コーナーなんて、無かったのになあ。不安で何度も「大丈夫かなぁ?」と言うと、担当の若い女性が優しい声で「大丈夫ですよ」と言うので、「へへ、そうですかぁ」と。優しい女性には弱いのだ。

          

その後、スマホでQRコードとかを読ませられて、確定申告ソフトを表示し、そこに自分の申告番号や暗証番号を打ち込むように言われた。1つ打ち込むと「次はこれ」と逐次、教えてくれるので楽だった。担当の若い女性は、隣に居た70代くらいの男性と、自分の2人交互に教えて指示していたので、忙しくて大変だ。アルバイトの様だった。         

そして、すべて入力し終わったのが、1時間後の10時半だった。こんなに早く終わるとは驚いた。後は、担当者が黄色い透明ファイルに入れた書類を、出口のところにあるボックスに入れて帰るだけだ。最後に自分が「パソコン・コーナーも、まだあるんですね?」と聴くと、「パソコン・コーナーに行くと、2~3時間待ちですよ」と言った。要は、「スマホでやれ」ということなのだろう。

「次回からは、わざわざ税務署に来なくても、自宅でスマホで出来ます」と、係員たちは何度も言っていた。しかし、数字を打つだけではなく、随時に選択のチエックを入れる箇所もあり、それは担当者に聴かないと分からない。パソコン・コーナーのときも、毎回、例外的なことが少しでもあると、担当者も分からず、何度も何度も税務署の職員に聴いていた。

             

だから、自宅で1人でなんて出来っこない。「e‐Tax」とか言って、わざわざ税務署に来なくても、自宅のパソコンで打ち込めますと、何年も前から税務署は勧めていた。しかし、これもマイ・ナンバーと同じで、「直接、説明を受けてやらないで、誰が1人で出来る?」とみんなが思っているのに、政府も偉い役人も現状が理解できていない。

民間に委託させるか、民間の人間が責任者になってやらないと、マイナンバーや確定申告や他の電子化も、永遠に国民に浸透するわけがないと、自分はずっと前から思っている。政府も偉い役人も、国民の目線ではなく、自分たちの目線でしか考えないから無理なのだ。何故、実態調査をやらないで一方的に実施するのか、訳が分からない。

担当者が少し席を外したときに、隣のオジサンと「便利になるのかどうか分からんけど、我々年寄りには、ますます大変なことになりますね」と溜息をついた。パソコンの画面より、遥かに小さなスマホの画面に表示される小さな小さな画面を、毎回指で広げて大きくして、数字を打ち込んでは、また小さくして「次へ」などのメニューを探して、また大きくして指で押す。

            

「こんなこと、中高齢者に出来るか~!」だ。今回は、なんとか教えてもらって出来たが、欧米の先進国では、こんなことを中高齢者にやらせてるのだろうか? 我が国は、高齢者のことなど、頭にないのだろう。政府も偉い役人も、OA化や電子化をするということが、いったい何のために、そして誰のために、どう役立つのかを真剣に考えていない。

これから高齢社会になって、高齢者がまだまだ増えていくが、その高齢者のことを考えないでどうするのだろう。高齢者にやさしく、簡単で、誰にもできるようにしないとダメなのに、おかしなことばかりやっている。

いずれにせよ、早く終わったのは良かった。そして、楽しみにしていた、すぐ近くの海鮮居酒屋で「イワシの開き定食」を食べに行った。ところが、その店で色々とあった。それは次回、書くことにしようか。