録画していた、8月25日の「カンブリア宮殿」を観た。「乗る人と家族を笑顔に変える!諦めない男が仕掛ける魔法の車いす」という題名だった。リハビリ用の「足こぎ車いす」を作って販売している、「TESS」という会社の話だった。
社長は、鈴木堅之氏で48歳。元は小学校の教師ということだ。生徒を教えていて、体育の時間になると、1人でポツンと教室に残っている車椅子の少年がいて、その少年も動いて運動できるような車いすができないか、と考えていたそうだ。
そうしたら、この「コギー」があるのを見つけて、教師を辞めて、販売する会社を起ち上げたということだったと思う。間違っていたらごめんなさい。
まだ歩けない赤ん坊を持ち上げて立たせると、本能的に右左と順に足を出すそうだ。そういう人間の反射神経を利用した車いすで、もう歩くことができない身障者の人でも、この車椅子に乗ると、電動でもないのに自分の足が勝手に右左と動いて、車椅子を漕ぐことができる。すごく、画期的なことだ。
これを見たときには驚いた。足どころか、体全体がダラーンとして力が入らない重度の身障者でも、足が動いて漕いでいるのだ。本人はすごく驚いて、喜んで漕いで走っている。目を輝かせて、満面の笑みで喜んでいる姿を見ると、こちらまで嬉しくなって来る。
もう、2度と歩いたり、動けないと思っている人にとっては、どれだけ嬉しいことだろうか。この車いすを、施設だけでなく、実際に自宅で使用していて、街にも出歩いて、買い物や食事に行っている人もいた。施設では競争もさせていたが、皆の嬉しそうな顔は忘れられない。
これを続けていると、足に筋肉が付いて、症状が改善するらしい。高齢者で寝たきりの人でも、足に筋肉が付くと歩けるようになったりするそうだ。素晴らしいものだと思う。ただ、現状は、国から医療機器と認められていないので、患者の1割負担ということにならず、価格が33万円するので、それほど売れていなくて苦労しているそうだ。
こんなとき、バカ政治家がアベノマスクだの、国葬だとかに莫大な税金を使い、その内のわずかでも、こういう困っている人のために、金を使うことはできないのだろうかと思う。無駄に多過ぎる議員だって、1人5千万円もかかっている。それほど価値のある議員がいるのか?そんな無駄なことに税金を使って、困っている人はたくさんいるというのに。
我々の血税が、当たり前のように政治家や官僚や役人の、贅沢のための収入源になっている。なにが、上級国民だ。国民の金を搾取して、泥棒や詐欺師と一体どこが違うのだろう。北朝鮮や中国やソ連と、どこが違うんだと思う。
「コギー」をサッサと医療機器に認定しろ、と思う。大手医薬品メーカーには、今も厚生労働省から上位30社に天下りが行っているようで、医療業界全体も、談合と賄賂まみれなのだろう。それによって、認定などの優先順位も決まっていく。どこの業界も、こんなことだろう。こんなバカげたことを、この国はいつまで繰り返して行くのだろうか。
このTESSの経営内容は、今のところ、ほとんど利益はないという。こういう会社ほど、利益を出して、いい会社になって、さらにいい商品を作り続けて欲しい。売れると大量生産が出来て、価格も下がる。そうなると、まだまだ売れていく。是非、頑張って欲しい。