数日前に、市役所から「高齢者肺炎球菌ワクチン予防接種のお知らせ」という手紙が来た。自己負担金が2,500円でワクチンを受けれるそうだ。65歳からということで、改めて自分が高齢者になったと思った。公的年金の受給資格では高齢者は65歳で、車の高齢運転者は70歳以上となっている 。「ついに俺も高齢者か!」という気持ちだ 。あっという間にジイサンになってしもうた。
道理で、体のあちこちにガタが来ているはずだ。視力も落ちてきて、飛蚊症がひどくなったり、耳も遠くなって時々キーンという音がする。足の湿疹もなかなか治らず、ノドも気管が狭くなったようで、すぐむせるし、声もすぐ枯れるようになった。夜中に毎日のように、脚の太ももから足先の指まで色々なところがつっぱるし、体はすぐ冷えるし、腰も時々ジンジンと痛む。
おまけに立ちくらみすることもあり、もうそろそろ、あの世逝きかと思うことがある。毎夜、仏壇に向かって「今日も無事でした。ありがとうございました」と拝んでいる。「後何年、働けるのだろうか?」、「後何年、元気でいられるのだろうか?」、「後何年、生きられるのだろうか?」と、いつも思う。骨粗しょう症でもあるので、骨折が一番怖い。
以前、仕事帰りに道で倒れていたオジサンを、向かいの病院に送って行った。オジサンは車の中で、「数年前に階段から落ちて、こんな風になった。あれがなければ元気でいたのに」と泣きそうな顔で話していた。そんなことで病院に入院して、それから著しく体力がなくなり、みるみる衰えていく人が多いらしい。
車椅子や寝たきりになったら、もう人生も終わりだという気持ちがある。自分で動けなければ、もう終わりだと思っている。3年前からパートに働きに出て、2つの老人ホームに勤めたが、そこで入居者の姿を見ていて、段々とそういう気持ちになった。ここに入るようになったら、もう自分の人生は終わりだと思うようになった。
高齢者だから、不安も多くなってきたし、意欲もなくなってきて、やる気も起きなくなってきているのかなあ、と思ってきた。今まで、色んな職場で出会ってきた「尊敬する先輩達」は、どうやって生きているのだろう。あの気力は、一体どこからくるのだろうか。
その中の70歳半ばの先輩は、家庭に大きな悩みを抱えていて、それを紛らわせるために仕事に打ち込んでいると言っていた。そして、鼻歌をよく歌っていたが「こうして歌っていると、気持ちが明るくなるだろ?」と言っていた。高齢になって、前向きに楽しく明るく生きて行くことは、簡単なことではないなあと思う。