オジサン NOW

還暦過ぎたオジサンのつぶやき

「すごく奇妙で、そして怖かったぁ~!」

今回の話は、自分の妄想ではない。1週間ほど前に、隣の棟のエントランスの様子を、管理人室の監視カメラで見ていた時のことだ。外側のドアからエントランスに入って、もう一つ中に入るオートロックのドアがある。そのドアを開けるには、ドアの横の認証機にパスワードを打たなければならない。

隣の棟に、上下が白っぽい服で白いゴルフ帽みたいなのを被った、高齢らしいオジサンがやってきて、何度も認証機に触っている。しかし、何度やってもダメなようで出て行ったが、今度はこちらの管理人室のある棟の方にやってきた。

そして、ここでも同じように認証機に何度も触っているが、ダメなようだ。管理人室のドアを開けるとすぐ目の前なので、開けてそのオジサンに「どうしましたか?」と聴くと、ボーっとした感じでニコニコして「知り合いに、会いに来た。前にも、何度も会いに来た」と何度も繰り返すだけだった。

           

これはもう、認知症だと思った。家は、近いから歩いてきたと言う。管理人の規則で開けてやることはできないと言って、「何階の、何んという人に会いに行くのか?」と聴いても、ボーっと黙って、ただ「会いに来た」としか言わない。キリがないので、管理人室に戻って、そのオジサンも外に出た。            

管理人室に入って、すぐ監視カメラを見たら、入居者の誰かがちょうど外から入って来た。するとそのオジサンは、その人の後に付いて、サッと中に入ってしまった。参ったなあと思って、どうしようか考えて10分ほどしてから、各階の廊下をさまよっているだろうオジサンを探しに行こうと思い、管理人室を出た。

そして、エレベーターに乗ろうとしたとき、そのオジサンがエレベーターでちょうど上から降りてきた。オジサンに「大丈夫でしたか?」と聴くと、オジサンは帽子で顔を少し隠して、「大丈夫です!」とハッキリとした口調で言った。

           

その張りのある声は、先ほどのボケたオジサンの弱々しい声ではなかった。背筋も伸びて、バリバリの中年男性という感じだ。呆気に取られて、そのオジサンを見ていると、驚くほどの早足でサッと逃げるように外に出て行った。

その歩き方も姿勢も、先ほどのボケたオジサンではなく。別人のようだ。これは、おかしいと思って追いかけて、問いただそうかとも思ったが、マズいかなあと思ってやめた。怖くなって会社の担当者に教えたら、何かあったときのために日報に、その日時を書いてくださいと言われたが、すでに書いておいた。

監視カメラの映像をずっと24時間録画しているので、日時をさかのぼって見ることができるからだ。そのオジサンが上がった階も、だいたいは見当がついたので、それも書いておいた。それにしても、どんな目的で、そんなことまでして中に入ったのだろうか?色々なことが考えられるが、ミステリーだ!

          

今回のことで、ある映画がすぐ思い浮かんだ。「ユージュアル・サスペクツ」という、ケビン・スペイシーが主演の映画だ。あのときの衝撃と同じだった。最初に観たときは、この俳優のことは知らなかったが、すごい演技力で、すごい役者だなあと感心した。彼はこれで、アカデミー賞の助演男優賞を取ったそうだ。やっぱりなあ。

探偵ポアロ、刑事コロンボ、私立探偵 金田一耕助の3人の中で、誰が一番優秀か? それは、一番放送時間が短いものだ。解決する時間が早いからだそうだ。一回完結ものの場合だ。と言っている場合ではない。

    

怖くなって、もう一人の管理人にもラインしたら、「怖いから、あまり関わらない方が良さそうですね」と返事が来た。確かに、このマンションには100人以上も住んでいるので、結構、色んなことがある。そして、奇妙なこともある。だが、あまり考え過ぎず、あまり深く関わらないでいるのが一番だ。

それにしても、前の管理人2人が、どうして一気に11月に辞めたのか?いったい、なにがあったのだろう? 今、話し好きのオバサン達に、聞き込みをしているところだ。(^^)v