先の記事で、入居者のところに介護施設の方が訪問してきたが、インターホンを鳴らしてもノックしても出てこなく、電話をしても出てこないので、「どうしたらいいでしょうか?」と管理人室にやってきたことを書いた。
この入居者は、70~80代の高齢女性で一人で住んでいるが、目が見えないようで、いつも介護施設の方が付き添いしていて、女性は白い杖をついて出入りしていた。目が不自由で、一人暮らしは大変だろうなあと、いつも思っていた。
今回は、介護施設の方が息子さんの自宅に電話をして、息子さんとそのお嫁さんが急いでやって来た。息子さんは30~40代くらいの人で、職場から合鍵を持って、駆けつけてきた。奥さんも、ずっと心配していた。そして、ドアをカギで開けたのはいいが、中からドア・ガードがかかっていて、5センチくらいの隙間が空いただけで、ドアが開かない。
それで、どうしたらいいか相談していたら、奥さんがスマホでこのドア・ガードの外し方を調べていた。そして、ヒモがあれば開けれるようだと言った。すると、旦那さんが「そんなことで開くくらいなら、泥棒が簡単に開けれるだろ!」と叱った。奥さんは、「だって、それで開くって出てるよ」と言った。
結局、一刻を争うので警察を呼ぶことにした。警察は、状況を詳しく聴いていた。10分後くらいに大きな消防車が来て、5~6人の消防員がドア・ガードを外しにかかった。慣れてるようで、脚立に上がり、そして、ドアの上の方からドア・ガードに、ヒモを垂らした。その先は見てないが、ドア・ガードはすぐ開いた。奥さんの勝ちー!
その後、消防隊員は部屋の中で倒れていた入居者を見つけた。幸い意識があったようで一同ホッとした。すぐ救急車が来て、消防車は去っていった。すぐ、搬送のベッドで救急車に乗せて病院に連れて行くのかと思っていたら、搬送ベッドに寝かせている入居者に盛んに、色々なことを訪ねている。
自分が20代の頃、会社の若い者が運転する車が、停まっている大型ドラックの後方に激突した。そのとき、助手席で寝ていた自分の方から衝突したので、自分が前のめりになって、フロントガラスに頭をぶつけて、着ていたワイシャツが血だらけになった。
意識はあったがボーとしていて、そのまま近くの病院に運ばれた。その知らせを聞いて、自分のお袋と丁度遊びに来ていた叔父の奥さんの2人で、病院に飛んできた。そのとき、病院の先生が自分の意識を確認するのに、「あなたの名前は?出身は?年齢は?」と自分に聴いた。
すると、叔父の奥さんが前に出てきて「名前は〇〇〇〇!出身は〇〇〇〇!年齢は〇〇〇!」と、自分の代わりに急いで答えた。先生は「本人の意識があるか確認しているので、黙っていて下さい」と、笑って吹き出したそうだ。意識がしっかりしているかを確認するために、患者にずっと色々なことを話しかけるようだ。
今回の入居者も、昼12時半頃に救急車が来て、そして午後2時半頃に救急隊員が入居者の手を取って、歩いて救急車に乗っていった。約2時間も話しかけたりして、様子を見ていたようだ。午後1時半頃に警察もやってきて、事件性があるかどうか事情を聴いて、30分ほどで帰っていった。
自分の方は、とにかく大勢が出入りするので、玄関とエントランスのドアを開けっぱなしにしていて、靴に付いてくる雪で廊下がすごいことになっていたので、その掃除をしていた。みんな、いなくなってから雪をホウキで掃いて、濡れた廊下をタオルで拭いてキレイにした。
とにかく、無事で良かったと思っていたら、入居者はその日の夜にマンションに戻って来たようだった。しかし、翌日、もう一人の管理人O氏が「また、救急車で運ばれたようだ」と言っていた。なんともなければ良いのだが。ということで、腰痛で苦しんでいたが、一時、そんなことがあって、痛みを忘れていた。