だいたい毎年、リンゴを買いに行っている岩見沢市毛陽の「東井果樹園」に、数日前に行って来た。そのすぐ手前の野菜や果物を売っている「毛陽交流センター直売所」にまず寄ってみたが、リンゴも他の野菜もほとんどなかった。どうしたんだろうと思って「東井果樹園」の店に行ってみたら、シャッターが閉まっていて、駐車場に1台の車が停まっていて、客らしい中高年の御婦人が1人立っていた。
車を降りて、その御婦人に「やってないんですかねえ?」と尋ねると、「美唄市からリンゴを買いに来たんですけど、やってないみたいですね」と言う。そう話していたら、道路の向こう側から作業服を着た若い女性が歩いて来たので、「やってますか?」と聴いたら不機嫌そうに、「ああ、いいですよ。こちらからどうぞ」とシャッターの横にある入口に案内してくれた。
他にも色々と聴いたが、不愛想で暗い感じの人だったので話すのをやめた。店に入ると例年は前列の棚に色々な種類のリンゴが並んでいたのに、1種類のリンゴだけがわずかだけ置いてあった。サッサと自分の買う分だけ取っていたら、少し経ってから待っていた中高年の御婦人と作業服を着た若い女性が店内に入って来た。
すると、さっきまで不愛想だった若い女性が色々と話し始めた。「去年の大雪で、リンゴの木がほとんどやられて大打撃で、ここ2~3年はリンゴの収穫はダメかもしれない」と暗い顔をした。この地区は去年は、今までにないような大雪だったらしい。隣に居た御婦人は美唄市から来ていたが、「私のところも、ものすごい大雪で大変だった」という。
自分の居る江別市は一時的にドカッと大雪が来たが、それ以外はそうでもなかったので実感が湧かなかったが、そういえば岩見沢市やその近辺は、大雪だとテレビで言っていたことを思い出した。その大雪が、この地区のリンゴ園や農家に多大な被害をもたらしていたのを知り驚いた。それで、この作業服を着た、恐らくオーナーの家族の方が落胆していたのだろうと分かった。
それから色々と話してくれたが、「あれほど強いカボチャでさえが、ほとんどダメだった」と、店内にあった数個のカボチャを指さして言った。「もう、ここ数年はリンゴはダメだろう」と肩を落としていた。店を出る時に「また来年、顔を出します。頑張ってください」と言って来たが、何を頑張るのか。絶望的な状況の人に、「頑張って」は酷なのかと思ったりした。
それにしても、数年前から海でも陸でも異変が起きている。道内では、サンマや鮭が獲れなくなって、ニシンやブリが獲れるようになったり、今年はウニや帆立が赤潮とかで大量死している。温暖化の影響が大きいと思うが、数年に一度海で獲れるものが変わる時があるそうだ。農産物も、今回のように今までにない大雪が降ったりして、大打撃を受けている。いったい、これからどうなって行くのだろうか。