オジサン NOW

還暦過ぎたオジサンのつぶやき

「フォークリフトの達人」

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パートの求人を見ていると、フォークリフトの運転手の募集がたまにあり、今でも運転できるかなあと思うことがある。自分は25歳の時から3年間、地元の水産加工場に勤めたことがあった。最初は事務員で入社したが、その時にフォークリフトの運転免許も一応取るように言われた。その講習に出れば、誰でもその日の内に免許がすぐ取れるということで、工場長と一緒に講習会場となる地元の市場に行った。

そこには、他の水産加工場の人達も多く来ていた。フォークリフトの運転を一人ずつ、順番にやって、それで先生がすぐ「合格!」と言って、免許取得ということになる。自分は、それまで一度もフォークリフトは運転したことが無く、工場長に何度も大丈夫かと聴いたら、「大丈夫だ。練習はいらない」と言うので、ぶっつけ本番で行った。

皆は何度も運転したことが有るようで、市場のコンクリートの大きな柱をスイスイと交わして走り、先生にすぐ「合格!」と言われていた。その内、自分の番になったが、まず動かし方が分からない。困った先生が、エンジンの掛け方とアクセルとブレーキを教えてくれて、発進ということでアクセルを踏んだ。

突然、フォークリフトは勢いよく走り出した。そのまま、とんでもない方向に走り出して停まらない。その後を先生が走って追いかけて来て「停めてー!」と叫んでいたが、停まらない。しかも、ところどころにあるコンクリートの柱に、フォークリフトの先の爪が何度もガーン!ガーン!と、勢いよく激突した。その内エンストしてやっと停まったが、周りは大爆笑だった。

こんなひどいことになったのに、合格になったので良かったが、その場にいた皆が「あいつに市場を壊される」と言っていたらしい。確かに、柱の一部が欠けていたのを後で見つけた。2カ所あったと思う。自分がフォークリフトでぶつけた所だ。よくそんな者に、フォークリフト運転技能資格をくれたものだと思う。

その後は、工場で頻繁に運転していたので、かなり上手くなった。パレットにフォークリフトの爪を音もたてずに、サッと差し込むことが出来たし、僅かの隙間にパレットに積んだ荷物を静かに入れることも出来た。狭い冷蔵庫だったので、隙間なく荷物を積んでいたので、自然と上手くなった。もう30年以上触っていないので、さすがにもう無理だろうな。