自分の育った故郷の川では昔、砂金がよく取れたそうで、その元をたどると〇〇金山がすぐ近くにあった。そこには、掘り尽くされた無数の深い縦穴が掘られていて、それが雑草などに隠れているので落ちると危ない、という話を当時その近くに住んでいた同級生から聴いたことがあった。
昔、その近辺に住んでいた一人暮らしの爺さんが、砂金を一升瓶に溜めていて、それが10数本も床の下に有ったのを見た人がいる、という話を聞いたことがある。そして、その爺さんが死んだ後には、それがすべてなくなって見つかっていないという話だった。
話は変わるが、その故郷で町内の中高齢者の集まりがあり、「何々とかけて、何と解く!その心は?」という、謎かけ遊びの大会をしていたことがあった。そのときに優秀賞を取ったのが自分の同級生の母親で、その作品とは「〇〇金山とかけて、“フンドシと解く”。その心は、“時々、金が出る”」というものだった。当時、お袋が「あの、普段は上品でもの静かな、あの奥さんが!」と大笑いしていた。
その故郷の町から隣町に行く道路の途中は、片側が川で片側が切り立っている崖になっていて、その崖の上にいくつかの洞穴があったが、鉄道工事をしている時に偶然見つかったそうだ。この辺は昔はアイヌが住んでいたようで、隣町にはその遺跡も残っている。それで、もしかしたらその洞穴にアイヌの財宝が眠っているのではないかと想像した。
しかし、後になってから或る人に、「あの洞穴は昔、網走刑務所から脱走して来た数人の囚人が隠れ住んでいた」という話を聴いた。そして、その囚人がそのままここに住みついて、この地域の住人になっていると言っていた。ということで、話が脱線、脱線で、どうまとめていいのか分からないので、この辺で終わることにする。