以前、パートで老人ホームの受付をしていたときに、事務所に「私の洗濯物がいつも盗まれている。きっと、介護の人が盗んだと思う。何とかして欲しい」と言いに来る、車椅子のお婆さんがいた。認知症だった。黙って話を聴いていると、その次は息子さんの自慢話になって、延々と話し続ける。しばらく話したら自分の部屋に戻って行くが、何日かするとまた事務所にやって来て、前に来た時と同じことを話し続ける。
老人ホームでは、認知症で「家に帰る」と言って外に出て行こうとする老人も多く、それを監視して玄関で防ぐのも、受付の大きな役割だった。だから簡単に外に出られないように、老人ホームの各階の階段にはカギをかけていて、もちろんエレベーターで降りて来ないように介護士さん達もみんな注意している。ただ、家に帰りたいという気持ちはよく分かるので、自分がそうなったらと思うと胸が痛んだ。
若い女性の介護士さんに「認知症の人とかずっと介護していたら、色々と思うこともあるでしょう?」と聴いたことがあった。「自分はそうならないように、今から何をしたらいいのか考えたりします」と言ってた。そして、「例えば、知恵の輪とかパズルとかをやったりするとか」と言っていたが、その方法はちょっとどうかなと思った。
自分もそろそろヤバイんじゃないかと思って、ボケ防止にはなにをやったらいいのか考えたら、指を動かすことや趣味に打ち込んでいる人はボケないという話をよく聞いたので、このブログをやることにした。パソコンに向かってワープロで文章を打つ作業は、かなり指を使う。ただ、最近は打ち間違えてばかりいるので、そろそろ衰えてきたかなと思っていたが、ゆっくり慎重に打つと間違いがかなり少なくなったので、まだ大丈夫だろう。歳と共に、焦らずゆっくりやるということが大切だ。
その他にも、ちょっとした木工やスピーカーの製作を暖かい時期にやったり、ギターを弾いたりということもやってはいるが、これらはホントに気が向いた時でないとなかなかやる気が起きないので、ボケ防止になるのかどうかは分からない。木工やギターは準備や後始末があるので、やるのが少し億劫だ。
数日前に職場の同年齢の同僚が、ナンプレまたは数独という、3×3のブロックに区切られた 9×9の正方形の枠内に、1から9までの数字をダブらないで入れるパズルを教えてくれた。これが思いのほか面白くてハマってしまい、久しぶりに集中して考えた。こんなに頭を使ったことはここ最近なかったし、夢中になった。
それで、上記の若い介護士さんが認知症の防止に「パズル」と言っていたことを思い出し、これは結構効果があるのかもしれないと思った。色々なナンプレの問題が書いてある本が、コンビニとかでも売っているらしい。ネットでも、色んな問題が掲載されているサイトもあった。言葉合わせや漢字とかのパズルもあるので、ボケ防止にこういうのも時々やってみようと思う。