オジサン NOW

還暦過ぎたオジサンのつぶやき

「獅子(しし)の子落とし、ならぬ、爺(ジジ)の孫落とし」

 

■ライオンは、我が子を谷から落とす

「教えられるのが、イヤなんだ!」と言って、小学校2年生の孫がポロポロと涙を流した。今まで、一度も泣いた姿を見たことがなかったので驚いた。我が家に、兄弟2人で遊びに来たときに「将棋をやろう」と言うので、いつもやっていた。

最初は飛車角を抜くか、なにかを抜いてやろうと自分が言うが、絶対にそれは嫌だという。「皆、最初はそうするんだ」と言っても、嫌だという。そして、教えると嫌がるので、案の定、各駒の動かした方もいつまでもハッキリ覚えていなく、上達しない。

孫の父親は孫と将棋をしても、わざと負けているようだ。しかし、それではいつまで経っても上達しないし、友達と対戦しても勝てない。だから、自分は手加減しないで徹底的に勝つ。何もプロ棋士にするわけじゃないが、自分の力を知らないと良いことは一つもない。獅子の子落としではないが、許してくれい!ジイチャンだって、つらいんだよ~! (/□≦、)

 

      

 

■入門書に任せた

孫が泣いた後に、これではいつまで経っても上達しないと思い、この孫が本を読むのを好きだと聞いていたので、家にあった将棋の入門書やAmazonで漫画入りの入門書を買って、孫の家に持って行った。他にもオセロもそんな感じだったので、入門書を持って行った。

それから1週間後くらいに、また我が家に来たときに「将棋をしよう!」というのでやってみたら、なんと序盤の手が基本の定石に近いものになっていた。格段の進歩だ!「本を読んだのか?」と聴いたら、「ウン」と言う。やっぱり、本を持って行って正解だった。

ただ、1週間くらいしか経っていないので序盤だけで、それ以降はまったく前と同じで全然ダメだ。それで、また教えると「教えたらイヤなんだ!」と、前と同じくポロポロと涙を流した。これは無理だなと思った。孫にしてみたら、最初から将棋もオセロも勝ち負けのゲームであって、教えてもらうとそうでなくなるようだ。

    

ということで、聴かれない限りは一切教えないで、本を読んで覚えてもらうことにした。教えたい気持ちを我慢して、教えないことも大切なことだと、自分に言い聞かせているが、それでもつい我慢できなくて、一言二言。

いつか孫が大きくなって、自分が歯がたたなくなる日が来るかもしれない。そのときに、孫が「ジイチャン、飛車か角か、なにかを抜こうか?」と言ったら、「いや、このままでいい!」。孫「ジイチャン、ここはこう指すんだよ」、自分「教えていらん!」。今の自分と孫のやりとりと同じか。