オジサン NOW

還暦過ぎたオジサンのつぶやき

「熊の出没、増えてまっせー!」

今年は、道内のあらゆるところに熊が出没して、ニュースになっている。最近では、朱鞠内湖に釣りに来ていた男性が、熊に襲われて亡くなった。その後、すぐ猟友会の人達が熊を駆除したが、その後、さらに違う熊を見かけたということで、その地域は立ち入り禁止になった。

道東の方では道路にも熊が親子連れで出てきたりして、車に向かって突進したり、威嚇したりしている。子熊を守るために、親熊は必死になるからだ。札幌市内でも熊の目撃がかなり多くなって、人の多い街中まで出没している。近くに学校のある所では、休校になったり、警察や監視の人が多く出ている。

小さい子供達が熊に襲われたら、ひとたまりもない。熊が腕をブーンとひとかきすると、人の体の肉はハギ取られるそうだ。それくらい、凄まじい力だという。中には、持っていた釣り竿や鍬などで応対して、傷だらけになりながら、なんとか追い払ったという幸運な人もいるが、もう死に物狂いだったろう。

        

昔、登山が好きで1人で山に登って、3度ほど熊に遭遇したという人がいた。そのときにどうしたかというと、少しでも熊よりも自分を大きく見せるそうだ。近くに岩とか土手とかで高くなっているところあれば、そこに上がって背伸びをして、両手を上に大きく広げて睨み合うと熊はその内、逃げていくと言っていた。しかし、これはかなり勇気がいるし、難しい。

逃げる場合、一番ダメなのは背中を見せて走って逃げることだという。逃げるときは、リュックサックに食べ物とか入っていたら、それを少しずつ捨てながら、後ろ向きに徐々に下がって行くそうだ。捨てた食べ物を熊が興味を持っている間に、少しずつ下がって逃げていくという。しかし、これもかなり難度が高そうだ。

要は、焦って逃げたらダメだということだが、焦るなということ自体が難しい。殺されるかどうかの瀬戸際で、焦らない人がいるだろうか? 自分が登山をやめたのは、腰が悪くなる前だったが、この熊が一番の原因だった。なんでビクビクして、命の危険を冒してまで山に登らなきゃならないのかと思って、バカらしくなってやめた。

       

熊がこんなに多く道内各地に出没しているのは、熊の数が増えているからだという。その他にも原因は色々とあるようで、熊の好物のドングリなどの木の実が少なくなっていることや、離農する農家が多くなったので、今まで山の麓にあった畑などに人がいなくなくなったこともあるという。それと、猟友会のハンターの高齢化で、ハンターが少なくなっていることもあるようだ。

「熊を殺さないで!」という声も、本州方面から必ず聞こえてくるが、熊を殺さないと人が殺される。言わば、北海道は大きな島の動物園で、海の向こう側の安全な人達が、北海道の人間が襲われて次々と殺されたり怪我をしてるのに、「熊を助けて下さ~い!」と叫んでる。「一度、この動物園の中で生活してみて下さ~い!」と叫び返したい。

共存できるのが一番良いことだし、本来は人間よりも先に住んでいた先住民?である熊を守らなければならないとは思う。しかし、実際に具体的な共存を計画する人も、実行する人もいない。政治家も役人も、 自分達に責任が来ないように、ただ先延ばしするだけだ。

我が国の治安はなんでもそうだ。大ごとになって、責任者に責任が及びそうになると、初めて腰を上げる。人のためにも熊のためにも、なんとか解決して欲しいものだ。