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還暦過ぎたオジサンのつぶやき

「星野道夫『旅をする木』」  

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以前、NHKBSプレミアムで放映された「星野道夫 没後20年“旅をする本”の物語」を観た後、星野道夫の「旅をする木」を買って読んだ。星野道夫は写真家で、本の内容のほとんどは、自身がアラスカに移住していた時のことを書いたものだ。星野道夫は自分より3歳年上だ。残念ながら、1996年にカムチャッカ半島でヒグマに襲われ、44歳で亡くなっている。

アラスカ在住のときに、熊に取付けた首輪型のレーダーの取替えをしたり、熊の生態を調べて撮影したりという、熊に関してはプロ中のプロだ。それが、テレビ撮影スタッフとカムチャッカ半島に行き、現地スタッフや周りの注意を聞かずに「今は鮭の捕れる時期だから、熊は襲ってこない」と言い、一人でテントを張って寝ていたところを襲われて亡くなった。

この星野氏の本を読むと、文章がシンプルで非常に読みやすく、表現も的確で、星野氏の人柄も伺えるようだ。スケールの大きな自然を、多くの写真で語っていて、自分もその壮大な世界にいるような気持ちになる。

この本の題名「旅をする木」の意味は、一羽のイスカという鳥が一本のトウヒ(唐檜)の木にとまり、その実をついばんで種子が運ばれて一本の木の長い旅が始まる、ということだ。下の画像は、トウヒの木と、野鳥のイスカ。

 

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自分の自宅から、車で15分ほどのところにある当別町に、「旅する木」という家具工房がある。代表者の須田さんは星野道夫のファンで、それで工房にこの名前を付けたそうだ。(旅する木のHP https://www.tabisuruki.com/) 自分は5年以上前に、2回ほど行ったことがある。廃校を工房にしていて、その廃校の中にある喫茶店に入り、それから隣の部屋の木工品の展示室を見に行った。

それにしても、ネットで「旅をする木」を検索していたら、偶然、我が家からすぐ近くのこの工房を見つけたが、こんなところにも星野道夫のファンがいたとは驚いた。また、「旅をする木」を読みたくなった。