オジサン NOW

還暦過ぎたオジサンのつぶやき

「”事故物件”でないことを祈る」

前の記事で書いた、不動産の物件の漫画本「不動産屋は見た!部屋探しのマル秘テク、教えます」を読んで、分かったことがある。それは「事故物件」についてだ。異常なほどの怖がり屋の自分が、もし賃貸アパートやマンションを借りるとしたら、この「事故物件」だけは、絶対に避けたいところだ。

万が一、知らないで借りてしまったらどうなるのだろうかと、ずっと思っていた。しかし、不動産屋はそういう物件を「事故物件」として、客に説明する義務があるという。それを知って、それなら大丈夫だと安心していた。借りることは、もうないと思うが。

それが、この本を読むと、実際には不動産屋や持ち主が、兄弟や親せきなどの名義を借りて、その「事故物件」に1年か2年ほど住んでいたということにしたら、その後、「事故物件」ということは消えてなくなると書いてあった。

そうなると不動産屋は、それを説明する義務がなくなり、普通の物件として紹介できるそうだ。そんな、バカな~! しかし、そんな裏技を使っている不動産屋は、実際にたくさんあるという。それを知らないで借りている人が、かなりいるのではなかろうか。大丈夫だと思って借りてしまい、後でそのことを知ったら。うーん、どうなるんだ!

     

以前、テレビで観たことがあるが、なんと、そういう事故物件を選んで住んでいる人もいるようだ。TVスタッフに部屋を見せてくれて、「ここで首を吊ったようです」と平気で言う。スタッフが「怖くないか?」と聴くと平気だと言い、家賃が安いのでいいと言う。世の中には、信じられない人がいるもんだ。

実は自分が勤めているマンションにも、おかしな部屋がある。というか、その部屋のフロアーだけが、すごい異臭がする。去年の3月に自分が来てから、今までずっと。それを上司である担当者や、同僚の管理人に何度も話したが、同僚は臭いがしないというし、担当者は「いつか見に行きます」と言って、いまだに見に来ない。

それで一度、ゴミ処理を手伝ってくれる入居者のオバサンに話をしたら、すぐ「行ってみよう」と言うので、連れて行った。オバサンは、その階に着くなり顔をしかめて、「ものすごい臭いだね!」と驚いていた。その後、その臭いを思い出して胸が悪くなり、昼飯が食べれなかったと言っていた。それほど、強烈な臭いだ。

        

このマンションに勤める前に、不動産屋に3ヶ月ほどパートで勤めたことがあった。そのときに、そこの社長が「今まで何度も孤独死を見つけたことがあるが、玄関先でも独特のすごい臭いがするので、すぐ分かる」と言っていた。しかし、人間が腐った臭いを嗅いだ人など、ほとんどいないだろう。

その臭いは、後の清掃で消そうと思ってもなくならないそうだ。専門業者を呼んで、特別な清掃をしないと臭いは消えないというし、清掃しないと何年も臭いは消えないという。自分はその臭いは分からないが、生ごみが腐ったような臭いだと言う人もいるし、不動産屋の社長は「それとは違う」と言っていた。

最近、このフロアーの異臭が、かなりなくなった。その1週間ほど前、ゴミステーションにゴミ整理に行ったとき、例のフロアーと同じ異臭がした。そんな臭いがしたことは、今まで一度もなく、おかしいと思ってその臭いの方に近づいた。すると、市指定の中くらいのゴミ袋があったが、中が黒いゴミ袋で中身が見えなくなっていた。それが2つあった。

          

そんなゴミは、今まで見たことがない。中身は何だろうと思ったが、中を開けて見る勇気はなかった。開けて人間の手や脚や、まして頭なんか、うわー、やめてくれー!気絶する。一生トラウマになる。あのフロアーの異臭のする部屋の入居者が、その異臭の原因の物を棄てたのか? なーんて、ただの生ゴミが腐ったのだったりして。それなら、いいんだけど。

事故物件になるのだけは、勘弁してもらいたい。もし、そうなら、その部屋を通る度にビクビクしなければならなくなる。恐怖のフロアーだ。映画になりそうな題名だ、「恐怖のフロアー」。生ゴミの腐った臭いであって欲しいな。