オジサン NOW

還暦過ぎたオジサンのつぶやき

「たかが掃除、されど掃除!」

マンションの掃除をしていると、ほとんど中高年の女性入居者だが「いつも、ご苦労様」とか、「いつも、キレイにしてくれて、ありがとう」と声をかけてくれる。日常の挨拶だが、それでも嬉しくなる。ただ、そういう形式ばった挨拶ではなく、心から言ってくれているようなときがある。

実は、自分がここに来る前の管理人は掃除が雑で、エントランスには枯れ葉やゴミが溜まっていたらしい。ワックスがけの業者にも、「前の管理人は掃除が雑だったので、ワックスをかける前の清掃が大変だった」と言われた。「あなた達になってから、それがほとんどいらないので、非常に楽になった」と。

だから、なおさら良く見えるのだろう。前任者がキレイにしていたら、これほど良くは思われなかったはずだ。そういう人の後は、やりやすい。(笑) それにしても、元々、掃除嫌いの自分がこうして掃除をして、それが人に喜ばれて自分も喜ぶことになるとは、思いもしなかった。分からんもんだ。

          

本来は、エントランスのタイル貼りの床や、玄関のタイル貼りの床は掃くだけで、拭き掃除はしなくても良いことになっている。しかし、入居者には工事関係の人も多くいるようで、長靴で出入りするので泥がタイルにこびり付き、汚れていることがある。この汚れを取ると、キレイになるだろうと思った。

それで、バケツに水と洗剤を入れて、タイル貼りのところをモップでゴシゴシこするようにした。これが、玄関に水打ちしたような清々しい感じになり、いかにも「マンションのエントランス!」という風になる。実際、マンションのエントランスで間違いないのだけど、こんな老朽化の進んだ格安マンションでも、ちょっとイイ感じになる。

これなら、入居者も気持ちいいだろうなあと思った。それをだいたい、自分の出番の月火水曜日の、朝掃除のときにやっている。さらに、自分の出番の3日間の内、1日はエントランスの窓拭きがある。タオルと洗剤で拭くのだが、ついでにエントランスからフロアーに入るドアの木目の取っ手も、キレイに拭く。取っ手はピカピカになる。

        

そして、玄関の大きな開き戸の、上から下まで繋がっているステンレスの取っ手も、ついでにキレイに拭く。この取っ手は、入居者が手でつかんで開けたり閉めたりするので、指の跡がたくさんついて曇っている。それを洗剤を染みらせたタオルで拭く。すると、鏡のように輝き、これまた「マンションのエントランス!」という風になる。

まあ、どれも自己満足といえるのだが。(笑) それでも、キレイになると嬉しいものだ。入居者も「オー!」なんて思って、清々しい気持ちになってくれると嬉しいなあと思う。今度は、少し汚れているドア本体も洗剤でキレイに拭く予定だ。

外の天気が良くて、これだけエントランスも玄関もキレイだと、実に気持ちがいいもんだ。なんで、たかが掃除でこんなに気持ちがいいのだろうか。ただ、入居者にしてみたら、ここは我が家だ。共有施設の廊下やエレベーターの中、エントランス、玄関がキレイなら、気持ちがいいだろうなと思う。そんなことを想像すると嬉しくなる。 

          

そう思っていたら、買い物から帰って来た入居者の中年女性が「ホントに、こんなにキレイにしてもらって、ありがとう!」と、何度も何度も言う。こんなに喜んでくれたことに、胸がジーンとなる。「自分が、キレイで気持ちがいいと思ったら、他の人もそう思う」し、「自分が、汚いと思ったら他の人もそう思う」のだろう。

ただ、だからと言って無理はしない。やれる範囲で少しずつ、このマンションをキレイにできたらいい。でないと、やり過ぎると続かないのは、今までの経験でよく分かってる。(笑) 続けることに意義がある。それと、腰の調子が悪いときは、つらいのでサッと終わらせるときもある。無理はしない。

考えてみたら我が家のことも同じで、風呂やトイレや色々なところを掃除してキレイにしていると、気持ちがスッキリして満たされた気持ちになる。それも5年ほど前から始めたが、その機会を与えてくれた伴侶には、或る意味、感謝しなければならないのか。(笑)