オジサン NOW

還暦過ぎたオジサンのつぶやき

「異常なほどの怖がり屋」

以前、「ポツンと一軒家」というテレビを観ていたら、お笑いタレントの渡辺正幸がゲストで出ていた。司会の所ジョージに「こんな山奥で暮らしたくない?」と聴かれたら、「いや、無理だ。幽霊が怖いんだ」と真剣に言っていたので、「おー、俺と同じなのがいた!」と思った。

こんなことを言う人は、まずいないだろうと思う。自分は若い頃から、仕事の出張でビジネスホテルに泊まるときでも、夜寝るときに「もしかして、この部屋で誰かが自殺してたりして…」などと思うと、寝ても何度も目が覚めて辺りを見回し、結局、朝までよく寝られなかった。部屋に鏡などあると、もうダメだ。

旅館だと最悪なので、ビジネスホテルや、安いホテルにしか泊まらない。旅館は古びれた感じがして、両親から聞かされた怖い話も、すべて旅館だった。(昔は旅館しかないから、当たり前か)その話を思い出すと、怖くてたまらなくなる。まあ、この話は前にも書いたけど、どうせ誰も見てないだろうから、また改めて書こう。

 

          

お袋の母親である祖母は、霊感があったらしく、昔、お袋とお袋の妹と祖母の3人で旅行に行って、旅館に泊まったことがあるそうだ。そのとき、部屋に入るなり祖母が「この部屋はダメだ!」と言った。押し入れになにか感じたらしく、開けてみたら隅の方に長い髪の毛を束ねたものが置いてあったという。

すぐ旅館の人を呼んで部屋を変えてもらったが、その人が「実は、この部屋で女性が以前、自殺をして…」という話をしたそうだ。髪の毛くらい、片付けておけよと思うのだが。なんで、置いてあったのか。

自分の父親は、とにかく見るからに元気な土建屋のオヤジで、高校のときも柔道部で、体は小さいが元気で、一番勢いのイイのがなる先鋒をいつもやらされていたそうだ。その柔道部の合宿のとき、泊まっていた旅館の或る部屋で、数人で寝ていた柔道部員が次々と金縛りにあった。

      

別の部屋に寝ていた父親は、「そんな馬鹿なことがあるか!」と馬鹿にして笑い、「俺がその部屋に1人で寝てやるわ!」と言って、その部屋に1人で寝ていたら、金縛りにあった。寝てからすぐ動けなくなり、「うーん」と苦しんで目をうっすらと開けると、誰かが上から自分を押さえている。

何度も声を上げようとしても声が出なく、やっと声が出て「うわー!」っと叫んだら、その押さえていた人が、スーッと煙のようになって、押し入れに入っていった。その父親の叫び声を聴いて、部屋の外の廊下で待機していた柔道部員たちが、「そら、みろー!」と勢いよく、笑いながら入って来たそうだ。

父親が、押し入れに入って行ったと言うと、みんなで押し入れの中を色々と探していたら、天井が開くようになっていて、天井を見てみたら位牌が置いてあった。父親は、俺は幽霊とか全然信じないし、それまで見たこともなかったけど、あれが初めての経験だったと言っていた。それ以降は、一度もないと言っていた。

          

そんな話を小さいときに、両親から聞かされていたので、ずっとそれが頭の隅に残っていて、特に一人でホテルに泊まって寝るときに、なぜかジワーっと思い出したりする。結婚して女房と旅行したときも、女房が隣でガーガー寝ていても、夜中に小便に起きる時など、怖くて辺りを見渡しながら恐る恐る、急いでしてくる。

こんなことを人に話すと、みんな「へえー!」と言って笑うので、俺だけなのかと思っていた。それが、先般、テレビで渡辺正行が「幽霊が怖くて」と言っていたので、俺と同じだと思い、ホッとした。この人は、調べてみたら、自分と同学年だった。お互い、こんな歳になっても怖い。しかし、他のみんなは、怖くないのだろうか?

今は朝の8時半だが、この記事を書いていて怖くなり、後ろを何度も振り返りながら書いている。書き始めてから、少し部屋が揺れたり、変な音が聞こえるようになった。心霊現象かと思っていたら、除雪車だった。今日は町内会の排雪の日だ。挿入したイラストも、極力、怖くないのにした。このまま自分が死ぬまで、自分が幽霊になるまで、一生見たくない。