オジサン NOW

還暦過ぎたオジサンのつぶやき

『映画「イーディ、83歳 はじめての山登り」』

Amazon videoの映画を観た。いつもは、だいたい無料の映画を観ている。観たいと思う映画はほとんど有料なので、たまにしか観ない。だから、無料で面白そうな映画がないか、いつも探してる。無料だと、面白くないと途中で観るのをやめても平気だが、有料の映画の場合は、面白くない映画に当たると、非常に金を損をした気持ちになる。

最近観たので、まあまあ面白かったと思うのは「イーディ、83歳、初めての山登り」という映画だ。イギリス映画かな。これは、イーディという女性が昔、父親と或る山を登ろうと話したことがあり、83歳の今になって、その山の登頂に挑戦するという話だ。「いつでも、遅すぎることはない」とイーディは思い、険しい山に1人で登っていく。

最初は、若いインストラクターの男性に教えてもらって、登頂も一緒にということだったが、やはり1人で登りたいと言って、登っていく。その気持ちはよく分かるが、自分ならこの山は絶対に1人では登らない。何故なら、頂上まで登るにはテントを張って、2泊ほどしなければならないからだ。

もし、囚人が逃げてきて「食いもんないか?」と、ナイフを突きつけられたらどうする? 熊が「こんにちわ」とテントに入って来たらどうする? 幽霊が「こん晩わ」とテントの外に立ってたらどうする? 無理だ。とても、1人で山の中のテントでなんか寝られるわけがない。    

    

    

このイーディの娘は、父親が亡くなった後、母親に老人ホームに入れと言って、見学に連れて行く。しかし、この施設の老人たちの様子を見たイーディは、まだ、こんなところには入りたくないと思う。その後、この娘は実家の屋根裏の部屋を掃除していて、お母さんの古い日記を見つける。

そこには、結婚してから厳しい夫の束縛で自由がなく、夫が倒れてから30年間もずっと自宅で介護をして、一人娘を育てるのも大変で、ずっと幸せがなかったというようなことが書かれていた。それを読んで、娘は激怒する。そして、「私だって、お母さんの世話をするのは、もうウンザリだ」と言う。

この娘、バカじゃなかろうか。30年間も夫の介護で疲れたお母さんの気持ちが、分からんのか。「お母さん、可哀想に」と思うのが本当だろう。この父親というのが、イーディには冷酷だったようだが、娘には優しくて可愛がっていたようなので、父親っ子だったのだろうか、このバカ娘。

        

子供にそんなことを言われて邪険にされ、老人ホームに行けと言われたら、自分ならどうする。そうなったら、やっぱり旅に出るかもしれない。そして、以前、夢だった「四国八十八か所巡礼」の旅に出て、痛い腰を曲げて、少し歩いては休み、また少し歩いては休み、最後は力尽きて、地面を這いつくばって死ぬ。というストーリーだ。

老人ホームでタンバリンを叩いたり、病院でチューブだらけになって死ぬのは嫌だ。「なにごとも、遅すぎることはない」という言葉には、少し勇気をもらった。ただ、この映画が実話を基にしていたのなら、もっと勇気をもらえただろうが、フィクションだろう。そして、映画の最後は、イーディが頂上に着いて感激するところで終わる。

しかし、その後、家に帰ってからの娘とのやり取りの映像があれば、良かったのにと残念だった。娘とどう決着をつけるのか、ということがないので物足りなさを感じ、消化不良になった。自分なら、バカ娘を張り倒して、家を売って誰も知らないところに引っ越す。そんなエンディングにする。