小さい頃から自分の実家では、納豆に砂糖をかけて、醤油を少し垂らして混ぜ混ぜして食べていた。これがなんとも美味しくて、ご飯の上にかけて食べると食が進んだ。この食べ方が普通だと、社会人になるまでずっと思っていた。普通だと。
ところが、納豆を食べる人のほとんどが砂糖をかけてなくて、そのまま混ぜて食べたり、納豆に付いてくる変なタレとかをかけて食べているので、すごく驚いた。孫も大好きで、そのまま「美味い、美味い」と言って食べているのが、信じられなかった。
自分が「砂糖をかけないと、納豆は食べられない」と言うと、みんな一様に「えー!」と言って顔をゆがめる。まるで、自分がゲテモノを食っているかのように。「信じられない!」と言う人もいた。信じられないのは、こっちの方だ。
それで、「納豆 砂糖」という言葉でネット検索して調べてみた。すると、そうして食べるのは、北海道と東北に集中しているということが分かった。最も多いのが新潟で、次に北海道、そして山形ということらしい。
それじゃあ、北海道にもそういう人が多いはずなのに、自分の周りでほとんど聞いたことがないというのは、一体どうしてだろう。みんな、「えー!」と言う。格好つけてるのか? いや、そんな問題ではないな。やはり、北海道でも砂糖をかけて食べる人は限られているのか、少なくなっているのかもしれない。
考えてみたら、自分の実家では、母親がこの食べ方を持ち込んだようで、それで、それが普通になった。しかし、こんな美味い食べ方を知らないなんて、もったいないと思う。一度、試しにやってみて欲しいが、美味いと思うか、吐き出すか、どちらかだろう。
北海道の赤飯には、甘納豆が入る。そして、赤飯に少量の塩をかけて食べると、これがまた「なまら、美味いんでないかい!」となる。この、赤飯に甘納豆を入れるのも、北海道独特の食べ方らしい。東北はどうか分からないが、寒いところは食べ物を何でも甘くして食べるようだ。
自分の父親は、インスタントコーヒーに砂糖を5杯くらい入れて飲んでいた。会社の部下に「すごく美味いコーヒーを御馳走する」と言って、いつも通り砂糖5杯のコーヒーを出したことがある。部屋を出た部下が、「甘くて、飲めたもんじゃないな」と笑っていた。
自分もコーヒーに砂糖を入れなくなったのは、2年くらい前からだ。セブンイレブンの、粉を機械で抽出して飲むアイスコーヒーを飲んでからだ。初めて、ブラックが美味いと思った。それからは、ずっと砂糖なしのブラックで飲んでいる。納豆は、砂糖なしでは絶対に無理。