先般、海鮮居酒屋で「ホッケの開き定食 990円(税込)」を食べた。前からずっと食べたかったのだが、とにかく価格が高騰して、昔はかなり安いものだったのに、高価なものになってしまった。今の回転寿司のネタも、近い将来には簡単に食べられなくなるほど、高級なものになると言われている。
気象の変化で海水の温度が暖かくなり、今まで獲れていたものが獲れなくなり、代わりに今まで獲れていない魚が獲れるようになった。それと、日本食の世界的なブームで、今まで食べる習慣がなかった魚を、中国などの巨大市場が食べるようになったことで、簡単に手に入らなくなっている。
自分が小さい頃は、隣の町が道北のオホーツク海に面した漁業の町だったので、頻繁に海の新鮮な幸を食べることが出来た。ホッケなどもよく食べたものだ。しかし、結婚してからは、家庭での食事は肉料理がほとんどで、魚料理はあまり食べることがなかった。
だから、色々な魚料理などは田舎で過ごした中学生までのときの、おふくろの味の記憶しかない。高校と大学は、下宿だった。今は、夫婦別々に料理を用意して食べているので、またあの時のホッケの開きを食べたいと思い、遠赤外線の焼き機を買って、自分で焼いて食べてみた。しかし、何度やっても美味くない。
それで、今まで何度か行っている、我が家から車で片道30分ほどのところにある、札幌市厚別区森林公園駅の近くにある、海鮮居酒屋「吉里吉里」に今回、ホッケ定食を食べに行った。ここは、水産会社直営店ということで、品揃えも良く、鮮度も良さそうだ。まずは、どんなホッケが出て来るか、興味津々だった。
出てきたのを見たら、想像以上に大きくて、身が厚かった。これは、食べ応えがある。食べてみると、結構、脂が乗っていて美味い!ということで、一番美味い皮のところの身までキレイに食べた。骨に付いている皮もすべて食べたが、それぞれ、味が少しずつ違って美味い。これだけ、キレイに食べる客もちょっといないだろうと思う。
大満足だった。やっぱり、脂が乗っている魚は美味い。脂が乗っていない魚は、なにを食べても美味くない。今度は、ニシンの焼き魚定食を食べてみようかと思っている。ニシンも脂が乗っていれば、小骨が多くても苦にならないほど美味い。卵も入っていたら、更に美味い。ニシンの煮付けも食べてみたい。また、今度行って食べるのが楽しみだ。
それにしても、結婚してからずっと、高齢になっても女房の作る料理を食べて、「うん、美味い!」とかいうことになると思ってた。俳優の中尾彬と池波志乃の夫婦は、旦那が「今日は、〇〇を食べたい」と言うと、池波志乃がすぐその料理を用意するそうだ。そこまでは行かずとも、美味い焼き魚も、頻繁に食べることが出来るのだろう。
現実とは、厳しいものだ。こうなることを、まったく予想していなかった。自分で料理するのが好きな人なら、まだいいんだろうけどね。ただ、自分で料理する人って、自分が作ったものを本当に「美味い!」と思って食べるのだろうか? 自分の場合は、大したものを作らなかったからかもしれないが、美味いと思ったことはない。