オジさん NOW

還暦過ぎたオジさんのあれこれ

「気功の話を、聴こう」

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自分は座禅とか気功とか超常現象とか、理屈では説明できないようなことに若い頃からすごく関心があった。その効果については半信半疑なところもあるが、「本当にそうなら、いいな」という願望が強くて、座禅も学生時代にやってみたり、気功も本を読んで自己流で型を真似て、家で時々やっていた。そのうち、石狩市の或る病院で気功の道場をやっていると知り、行ってみた。もう10年前のことだ。

ここの病院の院長先生が、気功を治療に取り入れていて、この病院の体育館を道場のようにして、一般市民にも開放して参加させていた。院長先生は元々は、合気道をやっていたそうだ。自分は開始時間よりも30分ほど早く行ったが、続々と一般市民が集まって来たので驚いた。ここの患者も参加していたので、50名以上はいたと思う。

そして始まると長い準備運動をして、その後に指導してくれる3人の先生達と向かい合い、お互いに手の甲を合わせる対気というのをやった。参加者が先生と向かい合って手の甲を軽く合わせただけで、気がぶつかり合って参加者が後ろに思い切り飛んでいく。中には大声を出して、勢いよく飛んでいく者もいた。参加者は、3人の先生と対気するため、3列に並んで自分の番を待っていた。

ついに自分の番が来て、ワクワクして先生と対気したが一向に何も起こらない。それでボーっとして立っていると、先生が小声で「飛んで」と言うので「えっ?」と思って何を言ってるのか理解できずにいると、先生がまた小声で「後ろに飛んで」と言った。「ええ~?」と思ったが、仕方なく後ろを振り返りながら、トトトと後ろ向きで壁まで走って行き、ドンと壁にぶつかった。自分のマヌケな姿と疑惑が入り混じり、複雑な気持で頭がいっぱいになった。

「もしかすると、これは変な宗教団体か何かで、ここにいるみんながグルで、自分のように新たに来た人を騙して、演技で後ろに飛んでいるのではないか?」と想像した途端、急にゾ~っとして、これはとんでもないところに来たのかもしれないと怖くなり、顔から血の気がサーっと一気に引いていくのが分かった。怖くなって、ここからどうやって逃げようかと考えていた。

混乱した頭でまた列の後ろに並ぶと、すぐ前に並んでいた30代くらいの女性が自分の方を振り返って、「最初から飛んだんだね?すごいね」と言うので、「え、え…」と小さな声で答えると、自分をジッと見て「わざと飛んだしょ?」と言う。思わず「は、はい」と正直に答えると、「私も、最初は先生に言われた通りに後ろに飛んでたんだけど、或る日突然、体に衝撃が走って後ろにすごい勢いで飛んだんだよ。それからは自然と飛ぶようになったよ」と言う。

すると、その女性の横に並んでいた40代くらいの男性も「自分も同じで、或る日、突然飛ぶようになった」と言う。この男性は市の職員だそうで、それだけで何か急に安心した。その後、ここに来ることはなかった。また、わざとらしく飛ぶのが嫌だったからだ。でも、後で分かったが、とにかく対気のときには後ろに下がるというのが型で、そういうやり方だった。

そして、こちらにも気が出ていれば、磁石で同じ極を合わせた時のように反発して、意識しなくても自然に後方に飛ぶということだ。ということで、その後は、自宅でたまにやっていたが、5年後にまた違う道場に通うことになった。