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還暦過ぎたオジサンのつぶやき

「簡単な、官僚の世論操作」

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「首相官邸記者クラブ」というものがある。ここで、各新聞社や各メディアに政府の方針や色々な情報を発進しているが、そのためにどの新聞社もメディアも同じような内容の記事ばかりになっている。これは、例えば政府を批判するような記事を書くと、記者クラブから外されたり、情報を制限されたりするということがあるので、どこも画一の無難な記事を掲載するしかないそうだ。

だから、今回の新型コロナウィルスのことでも、安倍首相がどんなバカなことをやっても、麻生財務大臣がどんなバカなことを言っても、あまり批判する新聞の記事を見たことがない。新聞のそんな記事を見ていると、そんなことに腹を立てていても「それほど、ひどいことでもないのかな?」と思うようになったりする。

しかし、ネットの世界は違った。ヤフーのニュースなどをいつも見ているが、安倍政権のおかしな政策に対する批判がたくさん出ている。麻生財務大臣に対しても同じだ。そして、上記の記者クラブを批判する記事もあった。それを読んで、やはり、おかしいと思っている人がたくさんいるのだと分かった。

先般の、安倍首相の会見時の各新聞社やメディアなどの質問が、すべて事前に安倍首相に知らされていた「出来合」いだったことや、各新聞社やメディアとは別の江川紹子さんの質問が、さえぎられて終わってしまったことなども、ネットに書いてあった。「出来合い」の質問内容が、事前に知らされていなく、批判をさせないということだったのだろう。

記者クラブのことを、財務省出身の元官僚が「官僚にとって、記者クラブほど便利な存在はない。ペーパーひとつで自由に操作でき、国民の世論操作だって簡単にできる」という趣旨の発言をしていた。それに反対して、記者クラブをなくそうと言っていたのが、元小泉首相だった。あれほど、新聞やテレビなどのメディアで叩かれた首相はいないと思うが、既得権のある党内の政治家や官僚と戦った代償だった、と自分はずっと思っている。

当時は、財務省のお抱えである御用学者たちが、一斉に小泉批判や竹中批判を始めた。若手の学者で辛辣にずっと批判していた者がいたが、経歴を見たら財務省出身だった。批判する多くの学者の書いているものを読んだし、反対に竹中氏の書いているのも読んだが、竹中氏は理路整然と数字もあげて説明しているのに対し、御用学者のほとんどは感情論が多い。官僚のマスコミやメディアの世論操作は、省庁総動員で簡単にできるものだと思った。

既得権のある政治家や官僚の都合のためではなく、本当に国民のためにやっている人を見極めることが大切だと思う。漫画家の浦沢直樹氏の「アベノマスク」の風刺画が、若者に批判されているという記事を読んで、安倍首相が意外に若者受けしているのかと驚いた。しかし、外観やパフォーマンスに惑わされることなく、政治家や官僚の情報に騙されることなく、その首相が実際にどれだけのことをやってきたのか、やっているのかということで判断しなければならない。

殺されるかもしれないという北朝鮮に自らおもむき、実際に拉致された人達を何人も取り返してきたのは、元小泉首相だけだ。さらに、多くの郵便局員票が欲しいために、タブーとなっていた郵政改革をやったのも、元小泉首相だけだ。口先ばかりいいことを言っているが、何もしないでサッパリ進展がない歴代の首相とは次元が違う。一部の利権者だけでなく、国民全員のためになにをやって来たのかを、見極めることが大切ではないだろうか。

週刊誌のように粗探しをして、失敗した一部の政策や私生活まで取り上げて、だからすべてがダメだと言っている御用学者や、利権のあるマスコミやメディアの思い通りになってはいけないと思う。結局、そのしわ寄せは我々達国民に大きな負担となって帰ってくる。偉そうなことを書いてしまったが、どうも我が国の政治はおかしいと、やりきれない気持ちになってくる。