サスペンスは、面白いのがまだまだある。まず、「ブラック・ブック」は、第2次世界大戦のナチス占領下のオランダが舞台の映画だ。正直、オランダ映画ということもあってそれほど期待していなかったが、スリル溢れる展開と予想外の結末など、非常に見応えがあった。
この監督はオランダ人だが、アメリカに渡って「ロボコップ」や「トータル・リコール」や「氷の微笑」などの監督もしていた。さらに、この「ブラックブック」は、監督が後にオランダに戻って、オランダ映画史上最高の製作費25億円をかけて製作したそうだ。確かにスケールも大きく、映画の内容も非常にしっかりしているので、これだけの良い作品になったのだろう。
「ユージュアル・サスペクツ」は、ケビン・スペイーシーがさすが演技派というところで、これが同じ人だろうかと思うほどの変貌ぶりを見せてくれた。この映画を観た時はまだケビン・スペイシーを知らなかったので、映画を観ていてずっと冴えない感じの男だと思っていたが、最後にあっと驚く変身をしたので驚いた。この脚本を書いた人は、アカデミー脚本賞を取り、ケビン・スペイシーはアカデミー助演男優賞を取ったそうだが、成程と思った。
「ペリカン文書」と「愛がこわれるとき」と「陰謀のセオリ-」は、いずれも主演や助演をジュリア・ロバーツが演じている。ジュリア・ロバーツは、かなり気の強い女性らしいが、これらの映画のように、繊細で大人しそうな感じの役が上手いと思う。特に「愛がこわれるとき」は、最初から最後まで不気味な怖さがあって、ハラハラドキドキの連続で、サスペンスとしては傑作だと思う。原作がナンシー・プライスという人の小説「逃げる女」で、構成がしっかりしている。ジュリア・ロバーツが、すごくいい。
「ダヴィンチコード」と「天使と悪魔」の原作は、アメリカの作家ダン・ブラウンで、トム・ハンクスが主人公のロバート・ラングドンに扮しているシリーズものだが、ストーリーが壮大で、ルーブル美術館やバチカン市国も舞台になって、そのスケールに圧倒される。3作目の「インフェルノ」も観たが、これはあまり面白くなかった。もう、話しも出尽してしまった感があるが、次作はどうなるのか楽しみだ。