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還暦過ぎたオジサンのつぶやき

『映画「ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男」』

第2次世界大戦中、ヒトラーの欧州侵略の危機のさなかに貧乏くじを引かされ、イギリスの首相になった”ウィンストン・チャーチル”の映画だ。これもAmazon videoの無料映画だったので、観ることにした。ウィンストン・チャーチルについては、自分が30代の頃に彼の名言集を愛読していたが、ウィットに富んでいて、強い信念があった人だ。

ただ、今回の映画を観るまでは、首相になってからの経緯については、あまり知らなかった。同盟国のフランスもついにヒトラーの手に落ち、イギリスも宥和政策でヒトラーと和平交渉をしようかという絶体絶命のときだったので、想像を絶するプレッシャーがチャーチルにはあった。

このチャーチルを演じたのが、演技派の俳優”ゲイリー・オールドマン”で、チャーチルは太っていたので、顔の特殊メイクはゲイリー・オールドマンの強い希望によって、日本人の”辻一弘”が採用された。そして、この映画で、ゲイリー・オールドマンはアカデミー賞の主演男優賞、辻一弘もアカデミー賞のメイクアップ賞を受賞した。       

          

この辻一弘のチャーチルのメイクがすごい、ということで話題になった。ずっと映画の中の、チャーチルの顔を膨らませている継ぎ目がどこだろう、と気になって仕方なかった。注意して見ていると、ここだなと思ったが、それでも、よくこんなに自然に見えるようにメイクしたなあと感心した。

オールドマンの演技の見せ場は、国会での演説シーンだ。「我々はどんなに犠牲を払おうとも、最後の最後まで戦う。その内、神の国から助けが来ると信じている」と、なかなか動かなかった米国を動かした実際の演説は、素晴らしいものだった。オールドマンの演技も素晴らしく、非常に迫力があって感動した。

         

チャーチルには数多くの名言があり、自分もその言葉に感銘を受け、教えられたり、励まされた。「悲観主義者は、あらゆる機会の中に問題を見いだす。楽観主義者は、あらゆる問題の中に機会を見いだす」。「事前にあわてふためいて、後は悠然と構えている方が、事が起こったときにあわてふためくよりも、利口な場合がある」。

「目前に迫った困難や大問題にまともにぶつかること。そうすれば、その困難や問題は、思っていたよりずっと小さいことが分かる。しかし、そこで逃げると、困難は2倍の大きさになって、あとで襲ってくる」という言葉を、当時は教訓とした。今の自分にも通じる言葉だ。

この映画の中のチャーチルは、実際のチャーチルにすごく近いのではないかと、勝手に想像したが、それくらい脚本も監督も、そして、ゲイリー・オールドマンの演技も素晴らしかった。演説の迫力には、本当に圧倒される。いい映画だった。