■塗装が命運を決める
塗装をどうするか、色々と悩んだ。当初は、定番の渋い薄茶色にするつもりだったが、側板の高さを確認するために次男坊の家に行ったとき、次男坊の嫁さんが、持って行った塗装していないそのままの側板を見て「これですか? 明るい~!」と目を輝かせた。これは下手に着色しないで、このまま木材の自然な色を活かした方がいいとピンときた。
それで、側板の塗装は「ノーマル・クリアー」でほぼ透明というのにした。塗料は、我が家にあるドイツ製の「オスモカラー」という商品名で、植物油と植物ワックスから作った自然塗料だ。木に浸透して膜を作らないので、木が呼吸できて、手触りも自然に仕上がるという。
棚板は少し色を変えて、これもオスモカラーの「ホワイト・スプルース」という、木目を消さない薄い白色で塗装した。落下防止の丸棒にも、ノーマルクリアーを2度塗ったら、少し黄色っぽくなった。最初は、色の濃い茶色にしようと思ったが、本の表紙が目立たなくなると思ってやめた。本棚全体が明るいと本自体が目立つようになり、孫達も目に入りやすいだろう。
■木目の凹凸を感じて欲しい
この塗料は原則は一度塗りで、刷毛で塗った後、布切れで塗料を木目に沁み込ませるように拭いていく。2度塗りすると1.3倍くらい濃くなるようだが、側板を1回塗りしたら木目がキレイに浮き上がっていい感じなので、それでやめた。
その2日後、完全に乾燥してから目の小さな紙やすりで何度か擦ったら、少しツルツルになった。さらに、目の細かい紙やすりをかけるとテカテカになるが、そうなると木目の凹凸の良さがなくなると思ってやめた。この自然の木目を孫達に感じて欲しい。木目が薄っすらと浮かんでいる感触が、すごくいい。
■本棚の搬入、そして設置
当初は、完成品を木工室から次男坊のワゴン車に積んで、次男坊の家に持って行って設置しようと思った。しかし、組み立てると大き過ぎて重量もあり、木工室から出すのが大変だ。車に積むのも難しいし、次男坊の家の中に入れるのも大変だということで、組み立てないで持って行くことにした。
組み立ては、次男坊の家の居間でやった。側板と棚板をビス留めし、最後にそれを持ちあげて指定の場所に設置した。設置するのに、天井に突っ張るためのアタッチメントがいる。側板の足元にアタッチメントをはめ、天井の方の側板にもバネ入りのアタッチメントを取り付け、斜めから少しずつ立てていき設置した。かなり、しっかりと固定できたので、地震が来ても大丈夫だろう。
ということで、次は長男坊家のテーブルと本棚だ。”講釈は1流、腕は3流”のヘボ大工の挑戦は、命ある限りまだまだ続くのだ~! ちなみに、ウチの女房は講釈夫人(侯爵夫人)。