オジサン NOW

還暦過ぎたオジサンのつぶやき

「逃げ足は早いのだが…」

■悲惨だった、小中学生のときの徒競走

自分が小中学生のとき、運動会の徒競走では、ほとんどビリだった。田舎なのと親戚が多かったので、お袋や叔母さん達が観に来ていたが、自分の従弟達もみんな脚が短いこともあるのか、鈍足で似たような成績だった。お袋や叔母達は「また、ダメかぁ!」と、ゲラゲラ大笑いしていた。

自分の背が急激に伸びた、中3最後の運動会のときだ。その予行演習では、いつもの5~6人のグループ(田舎なので学年が2クラスしかなく、いつものメンバーになる)で走ったら、なんとダントツのトップだった。これは、背が伸びたせいかと大喜びした。ついに、ついにこの日がやって来たかと。        

本番の運動会の日、お袋や叔母達が観ている中で、今までの屈辱を晴らす日が来たと張り切っていた。「みんな、観てろよ!」と。 本番になり、さっそうと走り出したが、なんと予行演習のときは自分のはるか後ろを走っていた連中が、ドンドン自分を追い抜いていくではないか。ゴールしたら、またいつものようにビリだった。

しばらく茫然としていたが、やっと気づいた。こいつらのトラップに引っかかったことを。予行演習では手を抜いてわざと遅く走っていたようで、この連中がいつの間にこんなことを考えるようになったのか。中学の高学年にもなると、知恵が付いてきたようだ。知恵が付いていなくて、まんまとダマされたのは自分だけだった。       

      

         

 

■足が遅いから、なんだ!

先般、次男坊のところの下の孫が「兄ちゃん、小学校の学年で走るのが一番遅いって言われてるんだよ」と教えてくれた。確かにこの前、運動会を観に行ったとき、上の孫がダントツで皆に引き離されたのを観て、「あ~、俺の遺伝だ~!」と思った。下の孫は幼稚園児だが、徒競走は中くらいというところらしい。        

その運動会を観て、上の孫は本を読むのが好きだというので「これは文系だな!」と思い立ち、本をたくさん読ませてやろうと考えた。それから、古本だけど色々と買ってやっている。そして、その本を収納する、天井まである大型の本棚も作ってやった。本の表紙の面が見える本棚で、すぐ手が届くようにした。

走るのが遅いから、なんだってんだ。足が速くて、将来役に立つのは泥棒くらいだろ。自分は駆けっこは遅いが、逃げ足は早い。ドッジボールでは、逃げ回っていつも最後まで残った。それに、何かを頼まれそうになると、サッといなくなる特技もある。

苦手を克服するよりも、得意なことを伸ばす方が大切だ。上の孫は文系に進み、下の孫は何系かまだ分からないがイケメンなので、彼の母親は将来アイドルにして、左うちわで暮らしたいと言っている。ただ、ジャニーズはやめとけよと言ってある。