オジサン NOW

還暦過ぎたオジサンのつぶやき

「『シェルブールの雨傘』、エンディングだけ観た」

■胸がいっぱいに

Amazon Videoで、面白そうな無料の映画を探してたら、「シェルブールの雨傘」があった。この映画は自分が中学生の頃、家で父親と姉がテレビで観ていたのを、一緒に観たことがあった。映画はミュージカルのようにセリフが歌になっていて、普通ならまったく興味が湧かない、というか避けている分野だ。

しかし、そのときは、何故かこの映画を最後まで夢中で見てしまった。最後の場面で、雪が降り注いでいる夜、かつて結婚するはずだった2人が偶然、バッタリと出会う。いわゆる元カノが、元カレの経営するガソリンスタンドに、小さな子供を1人乗せて給油にやって来る。元カレのガソリンスタンドとは知らず。

雪が降り注ぐ中、2人は事務所に入り2人きりで話す。その2人の表情と会話が、もう何とも言えない。元カノが元カレに「結婚してるの?」「幸せなの?」と聴く。元カレは「ウン」と言う。もう、なんと言うのか「無常だなあ」と思い、こんな切なくてやり切れないことがあるのだろうかと、胸がいっぱいになった。

        

■またも、無常だな~!

車の中に居る小さな女の子は、この元カレの子供だ。元カノが「あなたにそっくりよ。見てみる?」と言うと、元カレは「いや」と言う。元カノは結婚してパリに住んでいる。元カレも結婚して、小さな男の子がいる。

給油が終わると、何ごともなかったかのように2人は別れる。元カノが去った後、入れ替わりにクリスマスの買い物に出かけていた、奥さんと息子が帰って来る。元カレは息子と雪で遊び、ガソリンスタンドの事務所の中に入って行き、映画は終わる。雪はずっと降り注いでいる。

あの感動を思い出して、今観たらどうなのかと思って、最後のところだけ観てみた。やはり、胸がいっぱいになった。あのときと同じ気持ちになり、「無常だな~」と思った。 雪が降り注ぐ中でのエンディング・シーン、そして大ヒットした曲が流れて感動する。いい映画というのは、こういうものなのか。いつまでも、心を打つね。

           

この映画は会話がすべて歌で、踊ったりはしないけど、ミュージカル映画というようだ。主演は、カトリーヌ・ドヌーヴだ。最近、日本の是枝監督の「真実」に出演している。この映画は最近、画像がリメイクされていてすごくきれいだった。このような名作の画像がリメイクされて、きれいな画像になるとすごくいいな。

シェルブールの雨傘 [DVD]

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  • カトリーヌ・ドヌーブ
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