最初、ビル・エバンスなのか、ギル・エバンスなのか分からず、混同していた。今でも、よく言い間違える。この歳になると、特に横文字はなかなか覚えられず、あえて覚える気もない。色々とネットで調べたり本を読んでいると、ビル・エバンスはかなり人気のあるジャズピアニストで、日本でもジャズ喫茶では必ずこの人の曲がかかっていたそうだ。来日も何度もしていて、日本での自分の人気に大いに喜んでいたそうだ。
ちなみに、ギル・エバンスもジャズピアニストで、「ジャズのビッグバンドの世界で革命をもたらした」と言われ、マイルス・ディヴィスとも色々と関わっていて、「マイルスの知恵袋」と呼ばれていたそうだ。ビル・エバンスもマイルス・ディヴィスと共演があった。ビルといい、ギルといい、ジャズ界ではすごい人らしい。
ビル・エバンスは、若い頃に軍隊に従軍していた頃から、生涯ずっと麻薬中毒で、その為に体もボロボロで、永年の薬物や飲酒で肝硬変にもなっていたが、最後まで治療を拒み、それが死を早めたそうだ。1929年に、ニュージャージーで生まれて、1980年に51歳で亡くなっている。
一昔前のジャズやロックのミュージシャンには、ドラッグは付き物という風潮があったが、ドラッグで素晴らしい曲を作れて、素晴らしい演奏ができるのなら、ドラッグをやっていたほとんどのミュージシャンが有名になっていたはずだ。そうではなく、素晴らしい才能の人達が、たまたまドラッグをやっていたということなのだろう。
一昨日、本屋の音楽コーナーの棚にあった「ビル・エバンス 没後40年」という本がすぐ目に入った。これも何かの縁だと思って、すぐ買った。この本はマニアックな本で、ジャズ評論家はもとより、ジャズピアニストやカメラマン、詩人などが、専門的なコラムを書いており、読みごたえがある。ビル・エバンスの全てのレコードのバイオグラフィーも詳しく掲載されていて、彼を知るには充分だ。
それと、共にビルエバンスのハイレゾ音源を、少しずつネットで買っていこうと思っているのだが、1曲で500円~600円もするので、少しずつしか買えない。でも、粒立ちや高解像度な音の、何とも言えない魅力があって、何度も買ってしまう。それを自作のスピーカー3台で、交互に聴いている。老人のささやかな楽しみだ。いつか、もっといいスピーカーで聴いてみたい。