オジさん NOW

還暦過ぎたオジさんのあれこれ

「永ちゃんは、大したもんだ」

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1ヶ月ほどまえだろうか、NHKで矢沢永吉のドキュメンタリーを放映していたのを偶然観た。矢沢永吉の曲は「時間よ止まれ」をシングルレコードで持っているだけで、他の曲はほとんど知らなかったが、シンガーとしては日本の歌い手の中では、シャウトできる数少ない人だと思っていた。歌は上手い。

ただ、どうもあの語り口調が苦手で、人間的にもどうも好きになれず、陰で「エテ吉」と言っていた。すみませんでした。<(_ _)> この番組をサッと観て他のチャンネルに変えようと思っていたが、永ちゃん(今度から、こう呼ぶ)の生い立ちや、広島から夜汽車に乗って東京に出て来る時のことなど、そしてキャロル誕生の話にすっかり魅入ってしまった。

さらに、永ちゃんは単身でアメリカのスタジオに行って有名なミュージシャンとレコーディングをするが、それもずっと自分一人で通訳なしで片言の英語を駆使して、要望やダメ出しなどの打ち合わせもやっていた。プロデュースもマネージメントも全部一人でやるそうで、レコーディングが終わると小切手を切って演奏した各ミュージシャンにお金を払うことまでやっているのを見て、この人はすごい人だなあと感心した。

という話を職場のHさんに話したら、「そういえば、かつて彼はマネージャーに騙されて、かなりの借金を背負ったんじゃなかったですかね?それで、マネジメントも自分でやるようになったんじゃないですか?」と言うのでそうかもしれないと思ったが、それにしても大したものだ。

英語もそれほど話せないのに、通訳を介すよりも自分の気持ちを伝えやすいし、コミニュケーションも取れるということで、つたない英語でやり取りするのだが、確かにその方が相手とコミニュケーションがとれていたように見えた。何にでも勇気を持ってチャレンジして、飛び込んで行く人だ。

世界では無名の日本のミュージシャンが、憧れの有名ミュージシャンを頼んでレコーディングするというのもかなり勇気がいたようだが、それも段々と続けている内に「このままでは欧米の物真似をしているだけだ。本当の日本人のロックとは何だろうかと悩んだ」と話しているのを聞いて、そこまで考えていたのかと唸ってしまった。

今回、最後のレコーディングということでのぞんだようだが、ベーシストがリーランド・スカラーという、自分が大好きなジェームス・テイラーのバックでずっと演奏していた有名な人だったので驚いた。渋い人を選んだものだ。リーランド・スカラーは、最初はザ・セクションというバンドで活躍していたが、その後超売れっ子のセッションマンとして、たくさんの有名ミュージシャンのバックで演奏している。

日本でも、松任谷由実のたくさんのアルバムで演奏している。ユーミンもお気に入りのようだ。名曲「中央フリーウェイ」の弾むようなベースは、このリーランド・スカラーということが最近分かり、改めて聴いてみたがナイスな演奏だ。今までは知らないで聴いていたが、確かに耳に残るベースだった。

そういえば昔、「矢沢永吉はデビュー当時は生意気だったので、内田裕也に殴られたことがある」という有名だという話を聞いたことがあったが、内田裕也が亡くなる少し前に、ある番組でそのことを聴かれて「キャロルのデビュー盤のプロデューサーを頼むと言われていたが、いきなり他のプロデューサーになったので、頭に来て殴ってやろうかと思っていた。そしたら、矢沢永吉が会いに来て土下座して、”すべて自分が悪いので、一発殴ってくれませんか”と言ったので、これは参ったと思って殴らなかったが、大した奴だと思った」というようなことを話していた。

昔から聴いていた話とかなり違うが、この話だけでも矢沢永吉に対するイメージが変わった。今回のテレビ番組のインタビューを聴いていて、あの口調はまだ少し馴染めなかったが、話している内容は非常に心に染みた。やはり、どんな世界でもある高みまで到達した人というのは考え方が素晴らしいし、すごい魅力がある。64歳にして、70歳の永ちゃんのファンになった。今度、CDでも借りて聴いてみようか。  また、リーランド・スカラーとやっているようだ。7年ぶりの新作らしい。