■82歳からミシンにはまる
いつものようにAmazon primeの読み放題というので、面白い本がないか物色していたら、興味深い本を見つけた。題名は「80代で見つけた生きる幸せ」。この本の紹介文を読んで、これは絶対に読んでみたいと思って本を買った。図書館には無かった。
この本の紹介にはこう書いてあった。「84歳、後期高齢者。お金がなくても生きがいがあるから、毎日幸せ。がま口をミシンで縫い、ネット販売している84歳。年金3万円。数々の病に見舞われて、1日のほとんどをベッドで過ごす日々が、ミシンと出会って激変!がま口バック作りが生きがいに」。
年齢は自分よりも15歳も歳上だ。この人は、82歳までいろんな病気もして、寝た切りが多くなり、うつ病にもなって、家出や自殺未遂もしたことがあるという。それが、ある日、娘さんからミシンの修理を頼まれた。元は家電の電気修理の職人さんだったそうで、ミシンを直すところから始まり、それを使って色々なものを縫って作ることに、突然目覚めた。
■まだまだ遅くない
「やっぱり、そうなんだよなあ!ちょっとしたことでも夢中になることがあれば、人生は変わる。だから、俺もそれをずっと探してるんだけどなあ」と、自分もずっと思っていた。このG3(ジーさんと言い、奥様はB3でバーさんだと言う)は、今は作業するのが楽しくて、毎朝起きるとすぐミシンに向かうという。この「毎朝、起きるのが楽しい」という風になりたい。
もしかたしたら、まだまだ自分もこうなれるかもしれないという希望を与えてくれた。82歳という高齢になって、色々な病気をして金もなく、うつ病になり、寝たきり同然の人が、こんな風に生き甲斐が出来て元気になったことに、感動を覚える。俺も大丈夫だと。大それたことなどできるはずがないが、ほんの些細なことにでも夢中になるということが、それほど人生を劇的に変えるものなのだ。
このG3は、娘さんの導きによって、奥さんや子供たち、そして孫達の協力があって、どんどんと更に夢が広がっていった。その人達の強力な後押しがあって、夢が段々と膨らんでいき、ネット販売になり、カトリックということもあって、その関係で売り上げの一部をタイの児童養護施設に寄付したりしている。
■生きる励み
そして、いずれはそのタイの児童養護施設に、仕事を依頼しようと考えているそうだ。というのは、児童養護施設の子供達は18歳になると施設を出なければならなく、行方不明になったり、犯罪に巻き込まれることが多いそうだ、それで、そうならないように自活できる仕事を作れないかということらしい。ただ、それはまだ先の話で、まずは国内の後期高齢者の人の働く場を作ることが先決だそうだ。とにかく、素晴らしいことだ。
最近、ギターで昔好きだった曲をコピーしている。しかし、それも良いのだが、やはり物を作るということは素晴らしいことで、ずっと憧れがある。実は2年ほど前、自分もミシンをやって色々なものを作ってみようと思い、図書館で初心者のミシン掛けという本を見てみた。しかし、この細かい作業は自分には無理だなあと思って、諦めたことがある。細かい作業は苦手だ。
ということで、この本を読んで、何か夢中になれるものがないものかと、また考えているところだ。この本は、それだけに留まらず、家族の協力や色々なエピソードが描かれていて、最後まで非常に面白く読むことが出来たし、元気づけられた。この本は自分にとって、生きる励みになる。
ところで、お笑いコンビ「ロッチ」というコンビの相方のコカドケンタロウが「コカドとミシン」という本を今日、発売した。ミシン歴1年だそうだが、母親にも頼まれたりして色々と作っているようだ。読んでみようかな。