今回のWBCは、とにかく素晴らしかった。劇的な、メキシコ戦9回裏の逆転サヨナラ勝ちの試合などは、もう観ていて心臓が飛び出しそうで、日本の9回裏の最後の攻撃は、負けを覚悟してテレビを消した。「負けたか!クソ―!」と思い、しばらくして落ち着いてからテレビを点けた。そこには、がっくりとうなだれている日本チームの選手が、映っているはずだった。
それがなんと、みんな大喜して飛び跳ねているではないか! 急いで、音量を大きくした。まさか!もう、なんということでしょう!信じられなかったが、間違いなく勝ったようだ。こんな、すごい試合ってあるのだろうかと思った。
その後、夜のニュースで何度も何度も何度も、この試合を観て堪能した。夜、この試合を最初から再放送した番組も観た。もう最初から、逆転サヨナラ勝ちしたと分かっているから、安心して楽しんで観ていられる。サラミをつまみに、ビールでも飲みながら、この試合を観ると最高だ!
自分が試合を観ていると、日本チームは負けるというジンクスがあるので、負けていたら途中で観るのを止める。サッカーのワールドカップのときもそうだった。それでも、今回は我慢して途中まで観ていた。すると、心臓がバクバクしてきて、これは心臓が悪いと死ぬかもしれないなと思って、観るのを止めたが、やはり、ジンクスは当たった。
そして、決勝の米国戦。これもすごい試合で、この大会では三振ばかりのダメ村上が、メキシコ戦に続き、最後に意地を見せた。同点ホームランは、飛距離もそうだが、このホームラン・ボールの速度が、すごかったらしい。向こうの人が驚くくらいだから、メジャーリーグでも通用するだろう。
最後は、もうこれ以上の演出はないという、同じエンジェルスの同僚でメジャー最高の選手トラウトと、大谷との対戦だ。とんでもないことになったと思ったが、大谷の気迫がすごくて、それだけでもトラウトを上回っていたという気がした。そして、三振を奪い、試合終了だ! もう、これ以上の最高のシナリオはない!という結果になった。
その後のテレビのニュースで、この優勝の様子を何度も何度も何度も観た。翌日もネットで、そのときのエピソードや裏話などもずっと読んで楽しんでいた。その翌日も、その翌日もずっと。そして今、それらを読み尽くして、空虚感に襲われている。楽しみがなくなった。
WBCの間は、各国のチームの試合結果も気になり、すべて調べていた。韓国はどうだ?米国は勝ってるか?南米のチームはどうだ?などなど。それが、もうない。なんにもない。ただ、ただ、空しいだけだ。
次のWBCまで、後3年もあるのか。それまで、果たして生きていられるのか。サッカーのワールドカップもWBCも、2年に1度の開催にせんかい!それも交互に。そしたら、毎年、どっちか観れる。