オジサン NOW

還暦過ぎたオジサンのつぶやき

「管理人のボス、Nさん」

自分がパートで働いているマンションには、自分と同年齢の管理人O氏の2人の管理人がいる。しかし、さらにもう1人、影の管理人がいる。それは、70代?(年齢は怖くて聴けない)の女性入居者のNさんだ。昔、法務局で事務をやっていたそうだ。

この人は、自分とO氏がこのマンションに来る数年前から、ごみ置き場のペットボトルや缶や瓶の選別や、燃えないゴミの選別、段ボールの梱包などを自主的にやっていた。だから、自分たちよりも色々なことを知っている。

土日は管理人は休みなので当然ゴミは溜まる。それで、月曜日のゴミが大変なのだが、それをNさんがほとんど仕分けしてくれる。だから、その仕分けした内、空き缶と空き瓶と段ボールと雑誌だけは、資源回収業者に売るので、自分ともう一人の管理人は、それを別の部屋に移動するだけで済む。仕分けがないとかなり楽だ。

        

ペットボトルは市で回収するが、キャップを取ってラベルをはがさないと回収してくれない。その作業が大変で、飲み残しの飲料水で手がベトベトになる。空き缶と空き瓶も混在して捨てるバカも毎回いるので、それも仕分けするのも大変だ。

それをNさんは、ほとんどやってくれている。まさしく、救いの神だ。一時期、Nさんも体調が悪くてやらないことがあったが、そのときは大変だった。しかし、これが本来の自分たちの仕事だと思ったが、Nさんの有難さが改めて分かった。

そして、この雪だ。Nさんは、朝、除雪車が来る5時前に外に出て、マンションの入り口やゴミステーションの前や駐車場の通路などの雪を、除雪車が持っていきやすいように集めている。しかも、その他にも雪の積もった日は、1日に何度も外に出て、雪かきをしてくれる。その姿には、後光がさしている。

        

だから、Nさんには毎回、お礼を言っているし、「無理はしないで下さいね」と何度も言っている。この前、風邪で寝込んだことがあり、お見舞いの果物を持って行ったが、Nさんがいなくなると大変だ。

Nさんは、ゴミを適当に捨てる者には厳しく、見つけると「ちょっと!そのゴミ、ダメだよ!誰が仕分けすると思ってんの!」と注意して、持って帰らせる。この前は、入居者以外の者が捨てに来たのを見つけて「あんた!なんで捨ててるの!ここは入居者以外は捨てたらダメでしょ!」と言うと、相手の男性はオロオロして逃げ帰ったという。自分はなかなか、そこまで厳しく言えない。

その後、我が家の町内のゴミ捨て場の前に車を停めて、車からゴミを降ろしている不審なオヤジを見つけた。それで、近づいて「町内の方ですか?」ときつい口調で聴くと、「はい、そこの〇〇です」と言う。我が家の2軒隣りのご主人だった。「ああ、そうですよね!アハハハ。町内外の者で、たまに捨てに来る不届き者がいるので…」と言ったが、本当はそんな者はいない。

          

マンションの時の練習だ。でないと、Nさんに「あなたもバンバン注意しないとダメだよ!」と叱られる。自分の上司のようだ。本当の上司である管理会社の担当者に、外部の者の不法投棄ゴミのことを報告すると、「どうします?警察に届けますか?」と自分に聴いてくるくらいだから、頼りにならない。Nさんが、自分のボスだ。