50代までは、髪の毛がフサフサだった。若い頃は、どの床屋に行っても「髪の毛が多いですね」と言われた。ある知り合いの床屋で、店主に「髪の毛が多いのは、スケベなんだよ」と、耳元で囁かれたこともある。くせ毛なので、髪を伸ばすと髪の毛がモコモコになり、モミアゲがクルクルとウェーブするのでイヤだった。
そんな自分が、まさかこんなバーコード頭になるとは、想像していなかった。ただ、父親が60歳を過ぎてから、こんな頭だった。やはり、遺伝というのはあるんだな。床屋に行くと散髪後に、「これでいいですか?」と後ろと左右を鏡で見せてくれるが、毎回、愕然とする。地肌がスケスケじゃんか!
育毛剤を使ってみようかとも思っている。もう一人の管理人O氏は、シャンプーに育毛剤が入っているのを使っていると言っていた。このO氏は、昔からだそうだが、前面の髪の毛がかなり後退している。おでこが、テカテカだ。シャンプー、効果あるのかな。
ところで、数日前、買い物から帰って来て、見慣れた我が家横の直線道路の街路樹が目に入った。葉は茶色になって、落ち葉が道路にたくさん落ち、秋めいた感じになっていた。それを見て「後、どれくらいこの景色を見れるんだろう?」と突然思い、急に胸がこみ上げてきた。
見慣れたはずの例年の景色だが、映画のワンシーンのように見えた。両脇が中学校と小学校で、生徒達も下校していて賑わっていた。こんな光景が見られなくなるのかと思うと一層、感慨深くなった。そんな風に思うと、この世のものすべてが愛おしくなる。
木は葉が枯れて枝だけになっても、また季節になると葉がリボーンするけど、自分の髪の毛は最期までリボーンしないだろう。育毛剤の広告は気になっているが、どうなんだろうな。物悲しい季節になってきた。山下達郎さんの曲「リボーン」でも聴くか。