オジサン NOW

還暦過ぎたオジサンのつぶやき

「河村幹夫『人生は65歳からが面白い』」

先般、古本屋のブックオフで、安くていい本を見つけた。「河村幹夫 人生は65歳からが面白い」という本だ。もう、9年前に発売された本なので、価格も税込みで220円と安かった。実は以前から、ここのブックオフにこの本があるのを知っていた。

この本の著者は、大学卒業以来、三菱商事に58歳まで勤めていて、それから多摩大学の教授に転職している。シャーロック・ホームズの研究家で、著書「シャーロック・ホームズの履歴書」で、日本エッセイスト・クラブ賞を受賞している。今から3年前に、84歳で亡くなっている。

             

今回、買ってきた本はなかなか面白くて、人生の先輩が自分の年代のことを色々と書いているので、参考になった。その中で、やっぱりなあと思ったところがあった。以下、少々長いが抜粋する。著者の同年配の知人が、こういう話をしてくれたそうで、

「悠々自適な生き方をしているよ。何時に起きても寝てもいいんだ。心身ともに健康だと思っているよ。贅沢さえ慎めば、夫婦二人の生活費なんてそんなに多くはいらない。ただ困るのは、さて今日は何をしようか、ということなのだ。なにも義務付けられていないし、何の予定もない。だから起きても困るんだよ。

仕方がないから目が覚めると、まずベッドの中で、さて今日は何をしようかと思いめぐらすのだが、なかなか具体的なことが浮かばない。結局、ベッドを離れるのは10時頃かな。一日は短いようで長いよ。時々困ってしまうんだ」。

それで著者は、「シニア世代の生き方の一断面かな。うらやましいな、という気持ちが半分。なにかやりたいこと、好きなことを見つけて、もっとリズム感のある生活に切り替えたらよいのに、今のままでは気の毒だな、という気持ちが残り半分でした」と言っている。

              

これは、まさしく自分の今の心境で、ずっと悩んでいることだ。実際、自分のように思っているシニアは、多いのではないだろうか。以前勤めた分譲マンションの管理人のときに、ほとんど顔を見ないシニアの男性が多くいたことを思い出す。

著者は、これからは「ゴロゴロシニア」でいくか、「アクティブシニア」でいくか、と書いている。自分はやっぱり、「アクティブシニア」の方だなと思って、今から、朝起きるのが楽しくなるような趣味を持とうと、真剣に考えている。朝起きて、「さて、続きをやろうか!」という楽しみを。