オジサン NOW

還暦過ぎたオジサンのつぶやき

「海外に行って分かった、日本人と自分のこと」

そういえば、最近は日本人の海外でのマナーの悪さについて聴いたことがない。それよりも、海外でのスポーツ観戦の試合終了後の後片付けなどが評判になって、日本人のマナーの良さは素晴らしいという評価を受けている。

自分がまだ20代の中頃に、一人で海外に行って色々なことを体験したが、そのときの日本人の評判は最悪の頃だったと思う。まず、アメリカのグランドキャニオンに行ったときは、たくさんの日本人の若い男女がいた。どこかの大学か短大の、英語の学部のようだった。

外人たちが、上半身裸で日光浴をして寝そべっている場所から少し離れた所で、その学生達が「ヤッホー!」と大声で叫んだ。寝ていた外人達が、驚いて飛び起きた。外人達は「オー!」と言って、その声のする方を見ていた。

グランドキャニオンの中を走る電気バスの中で、隣に立っていた外人夫婦の旦那が奥さんに、「前の方にいる奴らは、さっきから色んな外人達に、英語が話せますか?と聞いてまわってるんだ」と言って(もちろん英語で)、バカにしたように笑っていた。

全部、同じ日本の学生達だ。英語の練習なら違うところでやれよと思うが、先生というのか、学校の教育方針なのかは分からない。非常識もいいところだ。みんな、こんな素晴らしい景色のところに、楽しみでやって来ているのにと思うと恥ずかしかった。

スイスの登山鉄道では、途中の駅でトイレか買い物か分からないが、下車した日本人のオバチャン達が、時間に間に合わなくて、大騒ぎして列車に乗っていた。発車時間を遅らせて、そのアナウンスが車内に流れた。

それを見ていた、自分の向かいに座っていた外人の男の子が、笑ってバカにしていた。すると、その子の隣に座っていた、お姉ちゃんらしい子が「向かいに座っているのは日本人だぞ」と、目配せして突っついていた。なんともバツが悪く、寝たふりをしてた。

今は、日本人よりも中国人観光客が海外旅行で悪名をとどろかせていて、一時期の日本人のマナーの悪さは言われなくなったが、自分の頃はひどかった。国際線の飛行機の中でステテコで歩き回ったりとかいう話しばかりだった。田舎の農協の団体旅行だったようだ。まあ、お座敷列車みたいなもんだろうと思ったのかもしれない。

           

と、色々と偉そうに言ってきたが、実は自分も新婚旅行でヨーロッパに行ったときに、やらかしたことがある。そのときに泊まった、あるホテルのバイキングの朝食で、小さな瓶に入った色々なジャムがあったのを女房が「素敵!」と言って、自分の手提げバックの中に次々と入れたことがあった。

         

自分もまあいいかと思って、バックに入れるのを手伝ったが、そのとき、女性添乗員さんに、それを見られてすごく怒られた。「やめなさい!だから、日本人はバカにされるのよ!」と。「スミマセン!」と言って、すぐ元に戻した。

この後も、女房の「なんともな~い!みんな、やってるんだから~!」という一声で、何度も道を外しそうになったが、なんとか踏みとどまってきた。ということで、自分も、決して偉そうなことは言えないのだ。