20代の頃だが、会社の上司にススキノの高級クラブに連れて行かれたことがある。そのときに、そこのママさんに「きれい。坂東玉三郎みたい」と真顔で言われたことがあった。そのときは、その意味がよく分からなくて、もっとメジャーなのが他にいないのかと思っていた。
結婚してから女房に「俺なんか、高級クラブのママさんに…」と自慢すると、「へえー！女形の人に似てるって言われて、嬉しいの？」と言う。成程、そう言われると、「確かになあ…」としか言えなかった。
Ritaさんのブログを読んでいたら、肌の色が白い男性の話があった。それで思い出したが、実は自分もそうなのだ。アウトドア派ではなく、インドア派なのもあって、小さい頃から肌が白かった。それもあって、坂東玉三郎なのかという気もした。
自分が若い頃、オネエちゃんのたくさんいるスナックで話す十八番が、この肌が白いというネタだった。ただし、冬期間限定だ。最初、肌が白いだろうと腕をめくって見せると「本当だね」と言うので、「足なんかもっと白いぞ。真っ白で毛も生えてない」と言って、スラックスを膝までめくると、真っ白なモモヒキが！これが、すごく受けた。懐かしいなあ、あの頃が。
坂東玉三郎よりも、ブログの「ずかとも」さんのように”福山雅治”か、”石田純一”に似ている（自称）というのなら、いいけどなあ。まあ、自称だから何でもいいか。しかし、この歳になると、もう顔面崩壊というか、すべてが崩れて来ているので、玉三郎の面影はどこにもない。権三郎というような顔だ。
床屋のイスに座って、前面の鏡を見るときほど、己の姿に愕然とすることはない。顔はシワシワで、目は元々垂れ目だが、さらにダラーンと垂れ下がり、バーコードの髪の毛を見ると、「もう、やめてくれー！」と叫びたくなる。あまりにも、残酷な瞬間だ。
ただ、かつては自分と同世代の男女のアイドルの今の姿を見ても、「花の命は短いなあ」とつくづく思う。どんな美男美女でも、こうなるんだなあと。郷ひろみなんか、今でも若い若いと言われているが、若いとき童顔だった奴ほど歳を取ると、目を逸らしたくなるほど貧弱な顔になる。まあ、自分も童顔だったけど。
