「老後は要領」という和田秀樹氏の本を読んでいたら、「私は、もともと、高齢者の場合、丸1日、家を出なければ、それは”一過性の引きこもり”くらいに考えています」と書いてあった。自分は週に4連休のときも、買い物に1日行くだけで、残りの3日間は丸1日、家を出ないことが多い。完全なる「ひきこもり」だ。
「たった1日の引きこもりでも、見逃していると、やがては本格的な引きこもりにつながり、認知症や体力の低下、生活習慣病の重症化を招きます。老後、1日引きこもると、確実に健康寿命を縮めることになる」とも書いてあった。
まさしく、自分だ!そして、その予兆は確かにあったし、このままでは衰える一方だと不安に思ってもいた。だから、家から外に出なければならない、と思ってはいた。家の外に! しかし、だ。「一体、どこに? なにをしに?」。車に乗って、ただ、その辺をブラブラ走り回るだけでは、ダメだろう。
腰を痛くしてからは、登山もウォーキングもできなくなった。5年ほど前は、腰を痛める前だったので、少しは登山に行ったり、サークルに参加して、長距離のウォーキングもやったけど、今はもうそれも出来ない。ただ、どちらもそれほど好きではなかった。サイクリングもやったけど、それも、今一つ好きになれなかった。
元々、アウトドアは好きではなかった。我が家の子供達が小さいときに、キャンピングカーを借りて道南に行き、キャンプもしてみたが、なにがいいのかよく分からなかった。夜も、キャンピングカーの中やテントの中でも寝られないし、トイレに行くのも面倒で参った。アウトドアは、向いていないのだろう。虫が嫌いだし。
ゴルフも若い頃は、なんとなく会社の人達とやったりしていたが、これもそれほど好きにならず、いずれやらなくなった。今もやりたいと思うことはない。パークゴルフも同じだ。友人T氏が夢中になって、夕暮れまでやっていたと言うのを聴いて、よくやるなあと感心した。
寺社巡りはどうかと思ったが、北海道は寺社と言っても、本州と違って歴史がないので、新しくて規模も小さいし、見るべきところがない。本州なら、そこら中に歴史があるものばかりで、見るものが多いから非常に羨ましい。石を蹴れば、歴史に当たる。
なにか、いい方法はないものかと思っていたら、あった。今はほとんど家の掃除や整理を自分がやっていて、最初は文句を言いながらやっていたが、段々とキレイになったり、片付いてくると、やり甲斐が出て来た。トイレや風呂、洗面所、台所、そして廊下や階段、各部屋に至るまで、掃除したり整理整頓することが、段々と面白くなって来た。
今も不思議だなと思うのは、家に引きこもり気味になって何もせず、体が段々と弱くなってきたときから、家事を否応なくやるようになった。そして、今のパートの仕事も同じで、マンションの掃除をやるようになって、弱っていた体が回復して来た。災い転じて、福だ。掃除の神様が、救ってくれたのか。
バスタブなどは、ずっと湯垢で赤っぽくなっていたのを洗剤で擦ってみると、当初の新品のときの水色が出て来て、驚くほどきれいになった。他のところも、ホコリや汚れているのを掃除して、キレイになると嬉しいものだ。ということで、家の中の掃除や整理整頓をして、家の中で動き回る「インドア派」ということで、やって行こうかなあ。