オジサン NOW

還暦過ぎたオジサンのつぶやき

「怒れる(イカレタじゃない)男」

守秘義務があるので、あまり詳しいことは書けない。いつもゴミステーションの整理を手伝ってくれる、入居者で高齢女性のNさんがいる。この人は、話し好きで会うと色々な話をするが、とにかくゴミの仕分けやペットボトルのラベル剥がしやキャップ取り、段ボールや雑誌をヒモで梱包してくれたりするので、非常に助かって感謝している。

この前、Nさんと話していたら、例のクレーマー・オジサンの話になった。すると、急にきびしい口調になって「あのオヤジなら、本当にろくでないオヤジだよ!」と言う。「口先だけで、なにもしない!どうにもならないオヤジだ!」と怒る。

さらに「あんな、いい加減なオヤジの言うことを、まともに聴いてたらダメだよ!相手にしない方がいいよ」と言う。まあ、そこまで言わなくてもと思ったが、女性は強いなあと感心する。ダメなのはダメと、ハッキリものを言う。       

          

それが、あのオジサンがゴミステーションに入ると、いつもしばらく出て来ないので変だと以前から、監視カメラを見て思っていた。それを話したら、Nさんが「あのオヤジは、自分の持ってきたゴミを、他の人が捨てた市の指定ゴミ袋に入れてるんだよ」と言う。          

その他にも、市の指定ゴミ袋ではなく、中身が見えない白い袋に、燃えるゴミやら燃えないゴミ、空き缶や空き瓶、ペットボトルまで混ぜて入れている常習犯がいて、悪質だと思っていたが、その一人があのオジサンだと教えてくれた。あの、オヤジ!

ゴミの捨て方がヒドイのは、だいたいが確信犯で、やる気でやっているのが多い。ゴミ袋の下の方に見えないように、違う種類のゴミを隠すようにして入れたりする。燃えるゴミの下にペットボトルとか、空き缶を入れたりして、とにかく悪質だ。

        

だから、その後のペットボトルのラベル剥がしや、キャップ外しの作業が最悪で、残っている飲料水で、手がベトベトになる。中にはペットボトルを潰しているのもあり、ラベルを剥がすのが大変だ。それで、薄手のゴム手をはくようになった。このイラストを見て欲しい!けなげで、涙が出てくるね。(実際は、立って文句言いながら、やってる)         

当初は「仕方ないなあ」と言って、そんなことをやったり、ゴミの仕分けをしていたが、その内、段々と腹が立ってきた。今はそんなのを見ると「なにやってんだ、バカ!」とか、「頭悪いのか、お前は!」と、もちろん心の中で言ってるが、たまに声に出てしまうこともあり、あせって周りを見渡す。怒れる男だ。                 

中には、バーボンだかバカボンだか知らないが、ウィスキーの瓶を危険物入れの樽の上に1本、毎回、立てて置いていくバカもいる。「格好いいと思ってんのか、このカッペヤロー!」とつぶやく。自分では、温厚な性格だと思っていたので、汚い言葉に驚くが、Nさんも「このバカ!」と言いながら作業していると聴いて、安心した。    

                

車を運転すると性格が変わる人が多いが、それと同じなのかもしれない。そういえば、前の職場で、自分と同年齢くらいの女性を助手席に乗せて、マンションの物件を見に行ったことがあった。冬道で、狭くてひどいときだ。そのとき、自分が対向車の相手に道を譲ったが、相手は頭も下げず、手も上げず、礼も言わず走り去った。

すると、助手席のその女性が突然「礼くらい言えや!バカか、お前は!」と叫んだ。明るく清楚な感じの女性で、とてもそんなことを言う人には見えなかったのに、唖然とした。「オー、怖わ!」。人間の性格とは、分からないものだ。

毎週月曜日は、土日のゴミがドッサリと溜まっている、一番ゴミが多い。月曜日の出社は、まずゴミステーションをのぞく。どんなことになっているのかと恐る恐る。来週月曜日は祭日で自分も休みなので、火曜日に出社したときはどうなっているのか、恐ろしくて考えたくない。