ジョン・レノンの「イマジン」は、自分にとっては特別な曲だ。高校1年生のとき、下宿でラジオを聴いていたら、この曲が流れて来て、聴いている内に涙がボロボロ出て来た。当時、ビートルズは解散したばかりで、自分が一番好きだったポール・マッカートニーに対し、辛辣なことばかり言っていたジョンは、あまり好きではなかった。
それなのに「イマジン」を聴いて、何故かジョンの今までのひどい言動も、すべて許せるような気持ちになった。曲を聴いて涙が出たのは、そのときだけだ。今も大切な曲なので、聴き慣れるのが嫌で、あまり聴かないようにしている。
先のyoutube動画で紹介した、「Prayer Solo」でピアノを弾いているニッキ―・ホプキンスが、このアルバムに参加していている。ビデオを観たが、オノヨーコが「この曲を2台のピアノで同時に弾いたらどう?」とジョンに提案しているところに、ニッキ―・ホプキンスの姿も写っていて「それは面白い」とか言っていた。ジョンと2人で、同時に同じフレーズをピアノで弾いているのだろう。
ジョンの「Grow Old With Me」は、彼が亡くなってしばらくしてから、夫人のオノ・ヨーコが、ジョンが録音したデモ曲を引っ張りだしてきた何曲かの内の1曲だ。まったく、やりきれなくなるほど魅力的なジョンの歌声、そして美しい曲。この曲も聴いていると、段々と惹き込まれる。
最初に勤めた老人ホームで知り合った上司で、自分よりもひとまわり年下のロック大好き男性がいた。そこを自分が辞めて半年後くらいの頃、彼が通勤のときに車の中で、この「Grow Old With Me」を聴いていると言っていた。ちょうど自分も、この曲を何度も聴いていたときだったので、偶然に驚いた。
そして、その職場を離れてから3年ぶりの昨年末に、ある用事で彼にラインをした。すると、ずっと寝たきりの奥さんと2人で住んでいたが、1週間ほど前にその奥さんが急に容体が悪くなり、亡くなったと言う。まだ、慌ただしくて、気持ちの整理ができていないと言っていた。
彼の気持ちを思うとなにも言えなく、言葉に詰まった。後で「Grow Old With Me(僕と共に年老いてくれ)」の曲を思い出した。彼も好きで聴いていた曲だ。