オジサン NOW

還暦過ぎたオジサンのつぶやき

「なんで、当たり前のことを書く?」

かつて老人ホームの受付をやっていたときに、他の受付員2人と設備管理のオジサンの3人に、何度も何度も「なんで、こんな当たり前のことを日報に書くんだ?」と責められたことがあった。いくら説明しても、入れ替わり立ち替わりでやってきて、同じことを言われて、ウンザリした。

上司の事務部長からは、「あなたが来てから、初めて日報らしいのを見ました」と言われた。そして、他の2人の日報を開いて「今まで、こんなんですよ」とあきれて言った。その人達の日報には毎回、「館内掃除」、「受付業務」、「館内巡回」の3行だけ書いてあった。

今思うと、事務部長が他の3人に日報をこう書いてくれと言えば、それだけの話だった。そうしたら自分も、彼らに何度もうるさく言われなくても済んだ。案の定、その後、事務部長は全般的に管理能力がないということで、会社を辞めさせられた。

自慢じゃあないが(自慢してるが)、最初にマンションの管理人をやったとき、1週間の研修期間が札幌市内のマンションであったが、指導員に「今まで指導した中で、すべてにおいて1番だ」と言われ、日報も文句がないと褒められた。だから、日報も自信があった。それなのに、それなのに、ああ、それなのに。     

       

自分の方が正しくても、賛成が多い方が正しいことになる。「なんで、当たり前のことを書くんだ?」と言うけど、その「当たり前のこと」って、その人にとっての「当たり前のこと」で、上の人にとっては、そうでないことが多々ある。それが、一番問題だ。一度でも報告を受ける立場にいた人なら、それがよく分かるはずだ。

今のマンションでも、日報を書くことになっている。しかし、マンション管理人の日報は、実際には上司も誰も、まず見ることはないと言っていい。上司というか、担当者は1人で何件ものマンションを担当していて、ほとんど来ることがないからだ。たまに来ても、まず見ることはない。だから、適当でも簡単でもいい。

            

ただ、大きいマンションの入居者はどこも、だいたい100人以上はいるので、絶えず色々なことが起きる。それを日報に詳細に記録しておくと、また同じようなことが起きたときに、非常に参考になる。「あー、あの人はまた同じことをやってる」とか、「あの部屋で、また漏水があった」とか、同じような事例を知ると、焦らないで対処できる。

もう一人の管理人への引継ぎにもなる。たかが日報、されど日報だ。だから、今は上司に見られるということよりも、自分のために詳細に書いている。仕事でも私事でもそうだが、記録するということはすごく大事なことだ。実は、自分は記録するのが大の苦手で、家計簿などは何度も挫折しているし、金銭管理は苦手だ。日報のようなわけには行かない。

或る人のブログを見ていると、自分で「記録魔」と言っていた方がいたが、とにかく金銭の記録もきちっとしていて、その分析もすごい。これほどやれたら、家計の節約でも無駄なところが分かって改善することができるし、色々と参考になる。何故、自分にできないのかと、今までずっと考えていたが、元々、そういう性格ではないということで落ち着いた。