今から13年前になるが、ギター製作教室に通っていて、一生の習い事になると思っていた。しかし、半年ほどで先生の父親の体調が悪いということで、名古屋の実家に帰ってしまった。当初から作りたかったアコースティック・ギターの製作が、これからだった。
色々なサイズのを作ってみたかったし、トップ、バック、サイドの材料も変えて作ってみたかった。マーチンとギブソンの比較でも分かるように、材質や作り方で音が大きく違ってくる。それを、一生の趣味として楽しめるという夢があった。
当時の製作している写真を見ると、初めてのことばかりで戸惑いながら、先生に何度も聴きながらやっているところだ。ただ、こんなことで本当にキチンとしたギターができるのだろうかと、ずっと疑問だった。
やっている内に、実に繊細で緻密な作業ばかりだと分かって来た。自分の性格や、つたない技量では、まだ数年は先生に教えてもらわないと、最初から全部1人でギターを製作することは無理だろうと思った。装飾品ではなく、いい音を出したいというのが目的だったから難しい。
当時の写真を見ると、まだまだ続けて覚えたかったなあと思う。段々とギターの形になって行くと、ワクワクした。 縁がなかったということだろう。
画像を見ると、まるで一流ルシアーのようだ。自分が帰った後に、先生が手直しをしているとは、誰も思うまい。