オジサン NOW

還暦過ぎたオジサンのつぶやき

「つけ麺? 冷やし中華?」

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真夏の一番暑い頃に、急にざる蕎麦が食べたくなって、午後2時頃に恵庭市恵み野にある、馴染みの蕎麦屋さんに行った。混んでいない午後1時半頃に着くようにしたが、なんと月に1回の定休日だった。ガッカリして、スマホでこの近辺の蕎麦屋を検索したら、近くにもう1軒蕎麦屋があったので行ってみたら、ここも休みだった。

どうしようかと思っていたら、馴染みの蕎麦屋の並びにラーメン屋があるのを思い出し、「つけ麺」の旗が立っていたので、それを食べに行くことにした。玄関前に中高年のオヤジさんがイスに座っていて、うつろな目をして涼んでいた。玄関に暖簾がかかっていなく、「やってますか?」と聴くと、「ああ、やってるよ!」と言って立ち上がった。昼の忙しいときがひと段落し、休んでいたのかと思った。

広い店内に入ると薄暗くて誰もいなく、悪い予感がした。そして、自分が「つけ麺を頼むかな」とオヤジさんに言うと、「タレは温かいの、冷たいの?」と聴く。「温かいのを」と言うと、オヤジさんは「冷たい方がいいよ!」と言う。でも自分は温かいタレがいいので、「いや、温かいので」と言うと、オヤジさんはまた「冷たい方がいいよ!ギンギンに冷えてるよ!」と強い調子で言うので、仕方なく冷たいのにした。

厨房の中にオヤジさんが入ると「おーい、お客さんだよ!」と叫んだ。オヤジさんが調理するんじゃないんかい?と思っていると、しばらくしてから厨房の奥のドアからオヤジさんの女房か娘か分からないが、不機嫌そうな顔で出てきた。その女性に、オヤジさんがボソボソと話している。その後、オヤジさんは厨房で何かの紙をハサミでずっと切っている。調理しているのは、女性だけだ。

しばらく経っても、つけ麺は出て来ない。客は自分1人なのに。不吉な予感はずっと続き、「これは失敗したかなあ?」と不安な気持ちになっていた。店内はラーメン屋と言うより、居酒屋風だったので、元々居酒屋が昼にラーメンもやっているのかもしれない。ただ、店内は廃れた感じがして、繁盛しているようには見えなかった。頭の中に、玄関でうつろな目をして座っていたオヤジさんの姿が浮かんだ。

やっと、つけ麺は出て来た。というか、冷やし中華だった。700円の安さの割には、ゆで卵を半分にしたのが2つと、チャーシュー、ホウレンソウ、シソ、シナチク、そしてトマトが半分入っていた。チャーシューは業務用のもので、トマトはまだ熟れていなかった。それと、オヤジさんが言ってたように、タレはギンギンに冷えていなかった。

タレがひどかった。これほど、美味くないタレは、今まで食べたことがない。市販の冷やし中華のタレの方が、ずっと美味しい。自分は、どこでも出された食べ物に文句やケチをつけるのが嫌な性格で、特に一生懸命作ったものは、美味くなくても「美味かった」と言う。しかし、この店にはもっと研究してもらいたいと思う。

オヤジさんはずっと何かの紙を切っていて、女性に「表も切るんだよ」と注意されていた。恐らく、この店はラーメン店と言うより居酒屋なのだろう。昼も稼ごうと思って、昼もラーメンでも出すかということで、もしかしたらラーメン以外は美味いのかもしれない。ただ、もう行くことはない。冷やし中華をスマホで写したはずだが、どうしても見つからなかったが、まあ、いいだろう。