オジサン NOW

還暦過ぎたオジサンのつぶやき

「ささやかな毎日が、本当は」

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いつも買い物に行くマックスバリューの店内に流れる歌がある。ずっと流れているので、そのメロディを覚えたが、歌詞の意味も考えるようになった。「ささやかな毎日が~♪、本当は尊くて~♫」と始まるが、深いなあと思うようになった。高齢者になったせいか、特に心に染み入ってくる。ホーマックの「あなたと共に~♪、確かな未来~♫」よりもグッとくる。ホーマックの歌は、若いニューファミリー向けだ。

60歳を超えてから、毎朝起きると「今日は、なにを支えに生きていけばいい?」と、大げさに聞こえるかもしれないが、そんなことを思うようになった。それまでは、色々とやることもあり、希望に燃えていたこともあって、そんなことを考えることはなかった。年齢を重ねていくに従って、段々と自分の生きる意味や、余生のことも考えて、さらに孤独を感じることも多くなった。

小田和正の「たしかなこと」という歌の歌詞に、「一番大切なことは特別なことではなく、ありふれた日々の中で君を今の気持ちのままで見つめていること」とか、「悲しみは絶えないから、小さな幸せに気づかないんだろ」というところがある。確かに、大切なことはありふれた日常の中に有り、小さな幸せは身近にたくさん有るのに、気づいていないのかもしれない。

五木寛之さん朗読のCDを買って、車の中でよく聴いている。その中で「自分の好きなものや好きなことが、生きる支えになる」と言っていた。今回の日曜大工でもそうだが、ちょっと直したり、作ったりするだけでも、朝起きるとその作業が楽しみでウキウキする。そんなことが生きる支えになっている。こんな些細なことの積み重ねで、幸せに生きることができるかどうか、大きな差があるのかもしれない。 

メーテルリンクの青い鳥のように、幸せの鳥を探しに外に出ていったが、結局どこにも見つからなくて、家に戻ると幸せの鳥は自分のすぐ近くにいたという話もある。身近な、些細な幸せを見つけるようにしなければと思う。マックスバリューに買い物に行く度に、店内に流れるこの曲を聞いては「そうだよなあ」と思い、心の中で一緒に口ずさんでいる。