オジサン NOW

還暦過ぎたオジサンのつぶやき

「キース・リチャーズ自伝 LIFE」

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最近、夢中になったのが、図書館から借りた「キース・リチャーズ自伝 LIFE」だ。620ページもあり、本の厚さが4センチもある大きくて重い本だが、読み出したら止められなくなった。昔からビートルズ・ファンで、ローリング・ストーンズにはそれほど関心がなかったが、数年前から少しずつ興味が出てきて、今は時々聞いている。

札幌ドームに来たときは、女房と姉の3人で観に行ったが、これがすごい迫力で、登場から大興奮だった。コンサートの最後に、ローリング・ストーンズのメンバー全員がいる舞台が、前の方にずっとせり出してきて、我々2階席のすぐ目の前に来たときは、もうみんな狂喜乱舞で、姉と女房などは2階席から空いている1階席の方まで降りていった。おかげで女房は、帰りに駐車場まで歩いていたときに足が突っ張った。

「ブラウン・シュガー」という、ちょっと怪しい曲名のストーンズらしい曲がすごく好きで、よく聴いている。キース・リチャーズのギターも素晴らしく、ミック・ジャガーの歌もいいし、アレンジもすごくいい。この曲が、ストーンズの曲では珍しく、ミック・ジャガーが作曲作詞からアレンジまでほとんどやったと、キース・リチャーズの自伝で知った。「あれには参ったぜ」とキース・リチャーズが言ってる。

というように、ストーンズの曲のベースになるものは、ほとんどキース・リチャーズが書いて、その歌詞やだいたいの肉付けを、実際に歌うミック・ジャガーがやっていたようだ。いわば、共同作業だ。レコーディングも、キース・リチャーズが最後にオッケーを出して、完成ということだったらしい。

自伝を読むと、その経緯がよくわかる。よく、音楽ライターが有名なミュージシャンの伝記らしいものを書いているが、又聞きしたようなことばかり書いているので、想像ばかりで的を外れていることが多い。その点、自伝は嘘をついていたり、誇張したり、記憶違いということでなければ、一番真実に近い。だから、自伝以外は読む気がしないし、読まない。

キース・リチャーズの子供の頃からのことが、ずっと語られていて、まだ第2次世界大戦の傷跡が残る時代に生まれて、その中で両親やクラスメイトや学校などのことも、色々と語られている。背が一番小さくて、耳がでかかったことで「モンキー」とあだ名をつけられ、毎日のように下校時に待ち伏せしていた同級生に、1年間もいじめられていたことも書いてある。そして、その後、それが逆転したことも。

とにかく、ミュージシャンになってからは、薬物漬けでひどいもんだが、それよりも音楽作りのことが、常に第一だったようだ。ジョン・レノンも同じ考えの仲間だと感じていて、交友もあったようで「大好きだった」と言っている。不思議と気があったそうで、二人ともやることはハチャメチャだが、真っすぐで誠実なところに惹かれあったようだ。「ジョンの目には、あいつを好きにならずにいられない誠実さってやつがあった」と語っている。

キース・リチャーズは、すごく魅力のある人間で、1人の人間としても素晴らしいと思った。薬物は別にして。スタッフや他の人に対する心配りもあるし、思いやりや優しさがすごくある。「俺はすぐ人を信頼する。後は相手次第だ」というように、友人が多いというのも、よく分かる。「前科者が多い」と言っているのは笑ってしまうが、いかにも彼らしい。

この本を読むのに、10日間くらいかかった。あまりにも面白いので、この本の古本を買おうかと調べたら、3,000円くらいするので、どうしようか考えてる。キース・リチャーズの現在の年齢は、自分のちょうど一回り上の77歳だ。まだまだ現役で、頑張って欲しい。