オジサン NOW

還暦過ぎたオジサンのつぶやき

「とても美味しい、帆立の卵」

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自分が当時勤めた水産加工場のメインは猿払の帆立で、漁連の委託加工をしていた。帆立の卵が付いていない時期には、本体の玉だけにして冷凍して玉冷にしていた。帆立に卵が付いている時期には、帆立本体の玉に卵だけを付けたまま冷凍した。フランス向けの輸出だった。フランス人はそうして食べるそうだ。フランス料理なのか。

卵の色は白とピンクの2種類があって、白色が精巣でピンクが卵巣だ。どちらも活きのいい内に刺身にして食べると、ウニのような味がして非常に美味しいと、工場で働いていた漁師のオバサン達が言っていた。ただ、自分はどうしても生で食べる勇気がなかった。それよりも、この卵を茹でて食べると、とても美味しい。カマボコのもっとやわらかいような感じだ。

帆立の耳と言われるところを窯で茹で、それに味付けして干したものを珍味で売っていたことがあった。これも店でよく見かけるが、とても美味しいものだ。干し物はどれもそうなのだろうが、天日干しにすると味が劇的に良くなる。冷風乾燥機で、天日に一度も当てずに干したものとは、味が全然違う。紫外線に当たると、アミノ酸やうまみ成分が増すと言われている。

その帆立の耳をオジサンが窯で茹でている時に、余って捨てている帆立の卵を時々一緒に茹でて、コッソリとオジサンと2人で食べていたことがあった。これがもう茹でたてということもあって、ホクホクして実に美味くて止められなくなり、オジサンに「もう、いいんじゃないの?」と、よく止められた。

生の帆立には、ウロという黒い固まりが付いていて、そこに貝毒が溜まりやすいと言われているので捨てていた。ただ、ウロは栄養価が高いので、飼料や肥料にすることもあると聞いた。このウロは温度が高い夏場はすぐ腐って、ものすごい臭いになる。夏休みでアルバイトに来ていた男子高校生を2人、町指定のゴミ捨て場にウロをトラックで捨てに行く時に手伝わせたが、その強烈な臭いで「ゲーゲー!」と2人とも何度も吐いていた。